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公開日:2013.06.20

横浜市立校
いじめ根絶へ「子ども会議」
512校で課題共有

  • いじめについて議論する児童ら

 児童・生徒がいじめ問題について議論を行う「横浜子ども会議」が6月12日、市立二俣川小学校体育館で開催された。市内各区で行われているもので、市立小中高校と特別支援学校を合わせた全512校の代表者が参加。最終的にまとまった課題や意見を全校で共有し、いじめが起きにくい学校づくりに役立てる。

 今年度、市が初開催した「横浜子ども会議」。子どもたち自身が校内で良好な人間関係を築き、快適に過ごすにはどうすべきか議論し、そこからいじめ防止を主体的に考えることが目的。旭区では区内の全小・中学校の代表者36人が会議に出席し、中学校区ごとのブロックに分かれ3〜5人の少人数で討論。中学生が進行役となり、「みんなが安心して過ごせる学校づくりの取り組み」をテーマに、いじめに対する意識などを共有した。

 最後は各ブロックでまとめた意見が発表され、「一人で注意するのではなく、周りの人と一緒に注意すべき」「あいさつ週間を設けて交流をしている」などの意見や学校の取り組みが上がった。今宿中学校の丹羽将太郎君(3年)は「陰口やプロレスごっこなど、ささいなことからいじめに発展することもある。各学校にある『助け合い』『思いやり』『笑顔』などのスローガンのように、明るく活発な学校にすることが大切」と発表していた。

 同グループの今宿南小学校の平川湖太郎君(6年)と今宿小学校の福田瑞希さん(6年)は「和やかな雰囲気で話しやすかった。他の学校でも色々なことをやっていてすごいなと思った」と会議を振り返った。

「主体的思考を」

 同会議は3回に渡って実施され、6月中旬から7月にかけて第1回を区単位で開催。続く2回目は市内を4地域に分け、高校生がコーディネーターとして会議を進め、児童と一緒に「一人ひとりを大切にできる学校にするために」「お互いを理解し合える人間関係をつくるために」などのテーマを通していじめ問題を考えていく。8月に実施する全体会で、地域ごとに選出された約100人が集結し最終議論を行う。

 市担当者は「教師や保護者、また地域ではなく子どもたちがいじめについて主体的に考えることに意味がある。まとめられた課題などを各校の状況に落とし込み、どう生かしていくかが重要ではないか」と話す。

前年度比1・8倍に

 市が実施した調査によると、市立小中学校でいじめなどの悩みを抱えている児童生徒数が11年度の2883人に対して、12年度は5244人と約1・8倍に増えている。これに対し市は「いじめ問題の専任教諭配置や12年度の無記名アンケートなどが隠れたいじめの掘り起こしにつながったのでは」と分析。認知した数の8割が「冷やかされる」など周囲が気づきにくい内容だったという。

 市は「いじめ問題は市全体の重要課題で、今回の会議もその位置づけ。子どもたちが自ら考える快適な環境づくりの意見を今後に生かし、根絶に向け対策に力を入れていく」としている。

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