旭図書館(石原孝館長)=白根4の6の2=が今年5月に開館35周年を迎えた。これを記念し、同館では今年度事業として新規講座やイベントなど様々な試みを企画。「読書を積極的に楽しんでもらいたい」と、司書らが独自の記念グッズも作成して配布している。
旭図書館は横浜市立図書館10館目として、1986年5月14日に設立された。81年に策定された「よこはま21世紀プラン」に基づくもので、1区1館と中央図書館を建設する方針を受けて誕生。以来、白根公園に隣接する自然豊かな地で、区民に読書の場を提供してきた。現在、1日で700人以上が利用する。
バブル期直前の好景気に建てられたため、建物の中心部はドーム型で、正面玄関まで延びる大きな階段もあり、豪華な造りになっている。完成した年度には県下建築コンクールで佳作賞を受賞しており、市内図書館で稀に見る建築のひとつだ。
同館の特徴は、ボランティアの活動が盛んであること。2012年に緑化計画で設置された図書館の屋上庭園「あさひくんの庭」などをグリーンボランティアたちが手入れしたり、あさひ茶花道協会のメンバーが図書館に飾られている花を4日ごとに変えたりしているという。
石原館長は「旭図書館はご高齢の方の活動拠点としてご活用いただいているほか、若年層向けの読み聞かせ事業にも注力し展開している。今後も幅広い年代の方にご利用いただきたい」と語る。
独自のグッズも配布中
旭図書館では、同館35周年と横浜市立図書館100周年を記念し、オリジナルグッズ「読書ノート用紙」と「しおり」を7月11日まで配布中だ。
利用者から「借りていた本や読み終えた作品の記録をつけたい」という声が上がっていたことを受けて実現。読み終えた書名や著者名、感想、シリーズ読破記録、読みたい本リストの4つのページを組み合わせることで、自分だけの読書記録を作ることができる。A6サイズの読書ノートの裏表紙には同館の外観が描かれ、5種類のしおりにも建物や周囲に咲くモッコウバラなどが写し出されている。
作成を担当した司書は「ご自身がお使いになりたいページをコピーして読書ノートを育てていってほしい。絵柄を見て、いつもの旭図書館の風景を感じてもらえたら」と思いを話す。
今年度の新規事業としては、若年層の読み聞かせ事業の一環で、読み聞かせボランティア育成講座「わらべうたと絵本の会」の3回コースを計画している。地区センターなど図書館以外の身近な施設で読み聞かせを実践できるボランティアを養成するのが狙いだという。また、来年2月には地元作家らを招いたトークイベントの開催や、22年にNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が放送されるのに先立ち、区内ゆかりの武将・畠山重忠のコーナーも設置していく方針だ。
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