旭区・瀬谷区 文化
公開日:2026.08.20
都岡地区めぐみの里 規格外の野菜を収穫体験
旭区にある「都岡地区恵みの里」でこのほど、規格外となったトウモロコシを収穫する体験イベントが開催された。
都市農業の振興や市民との交流の場として活用されている、同地区の農地。「都岡地区恵みの里運営協議会」が同イベントを主催し、農家が抱える「規格外品」の問題に光を当てるとともに、食の大切さを消費者に伝えることを目的に実施された。
廃棄が負担に
今回のイベントで対象となったトウモロコシは、農家が通常市場に出荷する際に基準とされる「一本350g以上」「見た目がきれいであること」「熟しすぎていないこと」といった厳しい規格から外れたもの。粒の一部が凹んでいたり、少し甘みが落ちていたりする。
しかし、これらは品質に大きな問題はなく、十分に食用として美味しく食べられるものだという。同協議会の会員の金子正幸さんは、「規格外として扱われるものは、農家によって対応は異なるかもしれないが、その場で廃棄せざるを得ないのが現状だった。自分で食べるにしても限度がある」と語る。
特に収穫期には鳩やカラスが集団で押し寄せ、大量に残った作物の後処理は高齢化が進む農家にとって大きな負担となっている。
今回のイベント開催のきっかけは、北部農政事務所の職員から寄せられた「もったいないのでは」という問いかけだった。この言葉を受け、同協議会は食育の一環として、これらの「規格外品」を収穫する企画を実施することとなった。
当日は多くの参加者が来場。栄区から初めて同地を訪れたという30代の女性は、2人の子どもと20本ほど収穫した。「子どもたちと一緒に体験できて楽しかった。良い夏の思い出になった」と笑顔を見せた。
食育を推進へ
金子さんは、「廃棄が減ることで後処理の負担が軽減されるだけでなく、消費者に食の現状を考えてもらうきっかけになれば」と期待を込める。
近年、物価高騰が続く中で「どこまで食べられるのか」「食料とは何か」を問い直す機会が必要だと指摘し、「単に美味しいものを採る体験にとどまらず、自然の営みや農作業の現場を知ることで、子どもたちにも好奇心を持ってほしい」と願う。
「タイミングが合えば、今後も機会を作りたい」と金子さん。このような試みを継続していきたい意向だ。
都市部の身近な農地で、規格外野菜という課題を共有しながら、食と自然の豊かさに触れる取り組みは、地域コミュニティにおける食育の新しいモデルとして期待される。
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