横浜DeNAベイスターズは昨年、セ・リーグで終盤まで優勝争いをしながらもあと一歩届かず、2位という悔しい結果でシーズンを終えた。ただ、最下位に沈んだ2021年から浮上し、今季への希望をつないだ1年となった。
進化を続けるチームは、編成面を支えてきた三原一晃球団代表が昨年11月をもって退任し、チーム統括本部長の萩原龍大さん(45歳)が今季からその役割を担う。今季にかける意気込みなどを聞いた(聞き手/本紙記者・岩田潤)。
◇ ◇
日々ポジティブに
――まずは2022年のチームの振り返りを。
「これまでの積み重ねの成果として、チームになってきたという手応えがありました。
三浦大輔監督を中心に『ポジティブさ』が前面に出てきており、試合に勝った時はもちろん、たとえ負けた時でも誰かのせいにするのではなく、結果を受け止めて前に進んでいくというのを繰り返してきました。
いろんなスタイルの野球がある中でベイスターズは『明るくて楽しそうなチーム』になってきていると感じます」
――チームが次のステージに上るために何が必要だと思いますか。
「今のチームの雰囲気が、チームの『文化』になるまでやりきることができたらと思います。
そしてもう一段上に行くために、選手層を厚くすることが必要と感じています。いつでもポジションを奪われるという危機感の中、チーム内で健全に競争してもらうことがチーム全体の底上げにつながると思います。
選手個々人にとってもスキルアップや選手生活を長くすることにつながるため、前向きにとらえてもくれています」
歴史を引継いで
――萩原さんは今季から、チームの監督やコーチ、選手をどうするかといった決定をする編成部門の長に就任しました。
「DeNAが球団を買収して以来、その部分は高田繁さんがGM(ゼネラルマネージャー)として新体制の土台を作り、その後、球団代表となった三原(一晃さん)がこれを引き継ぎました。
私だから、というよりその歴史をしっかりと引き継いで紡いでいくのが重要だと思っています」
――どんな期待をされていると感じますか。
「それはやはり優勝に尽きると思います。私は買収の翌日に(株)DeNAから出向し、会社やチームの環境整備を続けてきました。16年に初めてCS(クライマックスシリーズ)に出場したのは大きな転機になり、それまで優勝なんて、という雰囲気だったのが、選手たちも『俺たち狙っていいんだ』と目覚めたんじゃないでしょうか。
さらに翌年には日本シリーズにも出場。それ以降もファーム施設の整備など着実に環境を整えてきました。
昨年がそうだったように、少しずつこれまでの成果が出始めています。次はこれを結果に結びつけることで、実感を確信に変える必要があります。そうすればチームは一気にまた勢いづく。その『結果』というのが、やはり優勝なんです」
全員で成長マインドを
――萩原さんはこれまでも、選手というより選手を取り巻く環境に着目して、チームビルディングを続けてきました。
「これは人事を担当していた経験からですが、人がどうしたら成長するかということにおいて、周りの人たちの影響の大きさというのを感じてきました。選手の周りにある環境を変えることで、選手自身が変わっていくのではないかという仮説からスタートしました。
一番初めに取り組んだのはチームスタッフの意識改革です。成長視点をもった人間が周りにいる環境であれば、選手も同じようなマインドをもてるのではないかと取り組んできました。
それが次第にチーム全体に浸透していくなかで、今では積極的に新しい試みにチャレンジする組織になってきたように感じています」
――チームにとって横浜の街はどんな存在ですか。ファンにも一言を。
「横浜で良かったなとつくづく思います。選手やスタッフにとっても暮らしやすい環境で、球団ビジネスの視点でも魅力的な人口規模があります。さらに開港のまちということもあり、開いたマインドが今の球団にもとても合っていると思います。
チームを支えるファンの皆様からも、そろそろ結果をと求められているのを感じています。ぜひ今季は優勝を手にして、共に喜べる時代を築いていきたいと思います」
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