市営地下鉄関内駅の構内にこのほど、食品ロスを削減するロッカー型自動販売機が設置された。市などによるＳＤＧｓの取組の一環で、賞味期限内だが廃棄されてしまう売れ残ったパンを割引価格で販売している。

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　自販機が設置されたのは市営地下鉄関内駅横浜スタジアム側改札近くに昨年オープンした「ＳＤＧｓステーション横浜関内」。市や交通局など４者が運営し、企業のＳＤＧｓの情報発信や市民啓発の場としてイベントや展示を行っている。

　今回の取組は、消費者にお得にパンを購入してもらいながら食品ロスについて考えるきっかけにするのが狙い。自販機の設置は、コインロッカーの製造・販売会社「アルファロッカーシステム」（金沢区）が協力。配送時のＣＯ２排出量も抑えようと、市が近隣のパン屋に声をかけたところ、「縁道パン」（中区）が賛同して実現した。

　一般的にパン屋では陳列の見栄えを考慮して多めに焼いており、賞味期限（48時間）内でも約６〜10％が廃棄せざるを得ないという。同店では閉店間近の割引販売などは行っておらず、夏場は毎日75リットルのゴミ袋２袋分ほどを処分。「従業員の賄いなどで消費するにも限界があり、課題になっていた。ＳＤＧｓに少しでも貢献できたら」と藤井敏明店長は話す。

初日から売上好調

　商品は３００円〜１０００円の４つの価格帯で、食パンや菓子パンを組み合せて約３割引きしているという。中が見える透明なロッカーに硬貨を入れると扉が開き、パンと持ち帰り用の袋が取れる仕組み。18棚あるロッカーは５００円玉がないと買えない棚もあり現金が必須だが、春ごろにはキャッシュレス決済もできる予定だ。月曜から金曜の毎日午後８時頃までに補充を行い、翌日の補充時に売れ残っていたパンは廃棄される。

　市の担当者は「他の食品の需要もあれば広げていきたい」と話した。