第12回湯河原文学賞 俳句の部 平戸在住の岡庭さんが入選
夏目漱石や島崎藤村、芥川龍之介など近代文学史上の文豪たちが数多く訪れた湯河原町が主催する「湯河原文学賞」。
12回目となる今年は俳句の部で「橋」をテーマに募集され、全国3762句の応募の中から平戸在住の岡庭正さん(78歳)の作品が入選した。
岡庭さんの作品は「母がりへ 橋を渡るや 後の月」。「がり」とは、「許(もと)」、のことで「母のもとへ〜」と意味する。岡庭さんが結婚前、母親が病気治療のために長期入院していたころを思い出して作ったという。「毎日仕事後に職場から病院へ駆けつけていた。母の具合が気になりながら急いで橋を渡ると、後ろに月が見えた」と当時の情景を思い出す一方で、「解釈は読んだ人に任せたい」と話す。
亡くなった兄の影響で大学在学中に俳句を作り始めたという岡庭さん。現役時代、仕事が多忙だったころも俳句作りをやめたことはない。これまでに自費出版で2冊の句集を上梓している。湯河原文学賞に応募したことは数回あったが、「入選は初めて」と喜ぶ。
現在は黛執(まゆずみしゅう)氏が主宰する俳句結社「春野」に所属。妻は別の結社に所属するが、岡庭さんの影響で俳句を学び始め、2人で一緒に句会を行うこともしばしば。「講評し合うと喧嘩になっちゃうんだけどね」と岡庭さんは笑う。
「自然や対象物に自分の心を重ね合わせて俳句を作る。感動することが大事」と笑顔で語る岡庭さん。3冊目の句集発刊に向けて、日々黙々と俳句作りに励む。
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4月18日