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戸塚区・泉区 人物風土記

公開日:2013.07.11

第98回YBBL春季大会で優勝した少年野球チーム「平戸イーグルス」の監督を務める
中村大伸(だいしん)さん
平戸在住 47歳

夢を追う永遠の野球少年

 ○…「大きな夢をもつのは結構。でも、肝心なのは今できることを精一杯やること」――。横浜市209の少年野球チームが出場した第98回YBBL春季大会で、11 年前から監督を務める平戸イーグルスが2度目の優勝を果たした。家族と過ごす時間も大切にしてもらおうと、練習は他と比べて少ない。しかし、限りがあるからこそ選手個々の勝つためにすべきことへの理解が深まり、9人で1人のバッターを倒す意識が浸透してつかんだ栄冠だった。

 ○…小学4年で野球を始め、「憧れのユニフォームが着たい」と横浜商業高校に入学。「Y」の文字が入ったマリンブルーのユニフォームをまとって中心選手として甲子園に出場し、全国の野球ファンに鮮烈な印象を与えてから30年。今夏、高校野球神奈川大会の始球式に登板した。「子どもにとって高校野球は良いお手本となるもの。その場所に立てるのが嬉しい」と日焼けした顔がほころぶ。

 ○…高校2年春からベンチに入ると、3年春には選抜大会で全国準優勝。5番センターとして日本一を目指した夏も、決勝で桑田真澄氏、清原和博氏らのPL学園に敗れ、またも準V。「二番で良かった。求めるものがあるからこそ頑張れる」と、今もその経験が指導に役立っている。卒業後は日体大、NTT東京でプレー。30歳で迎えたアトランタ五輪では、主将として後にプロ入りする選手をまとめ、銀メダルを獲得。引退後はNTTの販売センターで管理職を務めるが、部下に「『やれることをやってよ』と少年野球の子どもと同じこと言う」と笑顔。

 ○…3人の子どもはすべて自分のチームでプレー。小学6年の三男は現在のエースだ。家では野球やサッカーを家族でテレビ観戦。「いいお手本なのに、私がうるさくて、子どもはテレビから離れてしまう」と苦笑い。今後は「一人でも多くの少年に野球の素晴らしさを伝えていきたい」と夢を語る言葉に力が入る。

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