桜並木をテーマにした絵本「さくらがさくと」を上梓した 東郷 なりささん 平戸町在住 32歳
絵本と現実をつなぐ
○…柏尾川沿いなどの桜並木と自然や人のつながりを描きながら「桜の華やかさと一瞬で散っていくはかなさ」を伝える絵本『さくらがさくと』を2月に出版した。対象は小学生からだが、全世代にも見て欲しいと願いを込める。「桜が満開の時だけ人々は足を止めて見ているけど、咲いている前後も私たちを見守っていると感じるんです」
○…幼少期から絵本や児童文学に親しんできた。「子どもらしいファンタジーではなく、現実的なストーリーや動物、自然が出てくるものが好きでした」。次第に本の世界を体験したいと、外に出るうちに自然に興味が沸き、大学では自然科学や環境科学を専攻。その中で絵本への道は捨て難く、ついに本格的に学ぶためイギリスの大学院に留学。帰国後、自然をテーマにした作品で絵本作家としてデビューし、これまでに5作品を世に送り出してきた。「図鑑などで勉強っぽく学ぶのではなく、ストーリーがあることで自然に親しみを持ってくれれば」
○…戸塚区に移り住んだのは、中学生の時。そこで出会った友人とバードウオッチングに熱中し、今でも趣味として活動している。「視覚と聴覚で生きている所が人間と似ている。観察していると考えていることが分かった気がするんです」。その思いは現実を切り取った絵本での作風にも表れている。
○…1歳の娘と夫と散歩に出かけるのが大切な時間。「外に行くとのびのびと出来るけど、いつのまにか絵本のネタ集めをしてしまいます」と照れ笑い。これからの娘の成長が楽しみだといい、「娘をテーマに書いてみてもいいかもしれないですね」。絵本を書き続けるため、子どもの頃から養われた好奇心を武器に、新たな発見の感動を絵本にしたためていく。
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