遊行寺宝物館館長として「とつか歴史講演会」の講師を務める 遠山 元浩さん 藤沢市在勤 52歳
終わりなき探求心
○…東海道藤沢宿の名刹「遊行寺(ゆぎょうじ)」の宝物館長が、戸塚区の歴史や郷土を楽しむための講演会に登壇する。鎌倉時代に念仏を唱えつつ全国を遊行した一遍上人(いっぺんしょうにん)によって開かれた時宗。その総本山であり700年の歴史を持つ遊行寺について話すほか、旧東海道や宿場町がどのように作られていったかなど戸塚エリアも含めた地域史的な観点にも触れる。「関東圏において遊行寺や『時衆』がいかに重要だったかを少しでも伝えられたら」
○…静岡県出身。時宗の寺の息子として生を受け、父に連れられ幼少期から遊行寺にはよく足を運んでいた。大学時代にあらためて仏教の世界観に魅了され、恩師との出会いもあり仏教美術専門家の道へ。とくに遊行寺宝物館が所蔵する国宝絵巻物「一遍聖絵(いっぺんひじりえ)」は一生涯のテーマだ。30代で静岡の美術館から宝物館へ籍を移したのもそうした理由から。「『一遍聖絵』は映画的なダイナミックなストーリーを読み解くのが最大の魅力で、一生かかっても終わらない」と熱く語る。
○…7年ほど前に宝物館の館長に就任。同館は一般人が気軽に立ち寄れる公的な美術・博物館へと全面リニューアルしており、現在は年に5回ほど各分野の企画展を開催。そのため館長として「一日24時間じゃ全然足りない」と日々汗を流す。その一方で「歴史的な美術品を後世に伝えるため、所蔵品を維持・修復し、運営する」という学芸員としてのスタンスは変わらないままだ。
○…写真が趣味で、その腕前はプロカメラマンも舌を巻くほど。生家となる寺の住職や大学の非常勤講師など多数の顔を持ち、座右の銘は恩師から教わった「ものをみろ」。目標は「日々研さん。いくらやっても知識不足を痛感」と、その探求心はつきない。
|
|
|
|
|
|
|
<PR>