東俣野産の酒米を使用した日本酒がこのほど完成し、2月16日から4000本が限定販売される。横浜市によると横浜産酒米100%の地酒は記録上初めてという。酒米を生産したのは東俣野町に田んぼを持つ川戸吉隆さん、石井教朗さん、石井一幸さん、羽太喜久雄さんの4人。蔵元は茅ヶ崎市の熊澤酒造で、同蔵の銘柄「天青」シリーズの「横濱魂」として、市内7店舗でも販売される。
主食用米を作っていた川戸さんが田んぼについて横浜市南部農政事務所と話をしていたところ、酒米生産のアイディアが浮上したという。
市内では、食用米の販売価格が年々下がり、米作りを断念する農家が相次いでいるという。こうした現状を受け同所は、水田保全を目的に主食用よりも高値で売れる酒米づくりに着目。市内から比較的近い熊澤酒造への視察をしてきたという背景がある。そこで日本酒好きでもあった川戸さんと同酒造が協力をして2020年度から栽培をスタートした。
1300kg収穫が肝
東俣野産の酒米100%の酒を造るためには、精米した状態の米1300kgが必要だ。1年目は川戸さんが試験的に栽培を始め、2年目からは新たに農家仲間の石井教朗さん、一幸さん、羽太さんが参加。昨年秋に無事目標を達成し、100%戸塚産の「横濱魂」として新たに作られることが決まった。
収穫した酒米は熊澤酒造に納品され、米の発酵などを経て1月中に最終工程となる絞りや瓶詰が終了。熊澤酒造の杜氏・五十嵐哲朗さんは「さわやかで米の味わいを感じられるお酒。毎年作り続けたい」と話した。
酒米を生産した川戸さんは「出来上がりが楽しみ。栽培中近所の人からの声が励みになりました」と笑顔。石井教朗さんは「米作りの担い手は減っているため、酒米で地元の農業を盛り上げていければ」と語った。
販売は「天青」を扱う市内各店(4合税込み1650円)で。区内では「リカーショップ松本屋(戸塚町)」と「つるや(汲沢町)」で17日から販売開始。つるや(【電話】045・861・3284/16日定休日)では電話予約も行うという。
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