戸塚区・泉区 社会
公開日:2023.09.14
「在宅避難」を選択肢に
國本戸塚区長に聞く
未曽有の被害をもたらした、関東大震災から今年で1世紀。例年以上に地震災害に対する警戒を呼びかける声が強まっている。実際、近年全国各地で大地震が発生しており、首都圏でもいつ何時起こっても不思議ではない現状だ。となると、日頃からの準備が肝要になる。本紙では、國本直哉戸塚区長に区民の避難行動・事前対策の方法などについて聞いた。
「自分事」が第一歩
--関東大震災から100年が経ちました。いつ発生しても不思議でない大地震に対して、区長のお考えを聞かせてください。
「あらためて当時被災された方々のご苦労を思い返すとともに、地震の脅威を再認識する重要な機会と考えます。地震は日本の地理的特性から避けられないリスク。いつどこで起きてもおかしくありません。
そのリスクを最小限に抑えるには、個人や家庭で大地震が起きた時の自分達の状況を普段から意識するなど、自分事として捉えてもらうことが極めて重要です」
--大地震が起きたら、区民はどのような対応をすればよいのでしょうか。
「戸塚区では、区内35の小中学校が地域防災拠点として指定され、震度5強を超えると開設されます。自宅が倒壊するなどして生活できなくなった場合は、この地域防災拠点で避難生活を送るか、安全な場所にお住まいの親戚宅などに避難することが考えられます。
一方、現在は関東大震災時と比べると、建物の耐震性能が向上しているため、自宅が完全に倒壊する恐れは低くなってきています。大地震が起きたら避難所に行き、そこでしばらく避難生活を送るイメージをお持ちの方もいるかと思いますが、ご自宅で安全を確保できるのならば、自宅での避難生活、『在宅避難』が考えられます。
戸塚区では『お家で避難』を合言葉に今後PRを進めていく予定です。広報よこはま9月号にも記事を掲載しています。ぜひご覧ください」
生活必需品の備蓄を
--在宅避難にメリットはありますか。
「慣れ親しんだ自宅でストレスが少ないこと、プライバシーを確保できること、ペットと一緒に生活できるなど、事前にしっかり備えておけば、避難所での生活よりも安定した状態で過ごせることです」
--事前に準備しておくことは。
「大地震の際には、水や電気などのライフラインが一時的に止まる可能性があります。建物自体は無事でも、日常にあって当たり前だったものが、地震直後にはなくなっている状況が考えられます。それを想定して、生活に必要なものを各家庭で備えるのは、リスクを軽減するために欠かせない要素です」
--具体的には。
「まずは家庭内で、飲料水や食料を最低3日分備蓄しましょう。水は一人1日3リットルを家族分用意してほしいです。食料は普段から食べ慣れているものの方が、災害時もストレスなく安心です。
食料・水以外に大事なのはトイレの備え。災害時、排水管の損傷などにより使えなくなる可能性があります。トイレパックといって、排泄物を固めて衛生的に処分するための処理袋と凝固剤のセットがありますので、忘れず備えておきましょう。また、大切な命を守るためにも、自宅の中の安全対策をしておくことが重要です。揺れで家具が倒れてきたり、ガラスが割れて床に飛散してしまう恐れがあります。家具の転倒防止器具や、ガラス飛散防止フィルムなどを設置してほしいですね。万が一ライフラインが止まってしまったときのために、バッテリーやカセットコンロなどを用意しておくのも有効です。
ここに挙げたのは基本の一例ですが、家庭によって必要な物や対策はそれぞれ異なるはず。どういったものが自分達に必要か、あらかじめ考えておくことは、とても重要です」
風水害にも注意
--最後に、区民にメッセージを。
「災害は予測できないものですが、備えることでその被害を最小限に抑えることはできます。関東大震災の教訓を胸に、家庭ごとの備えを一層大切にしましょう。区としても今後『在宅避難リーフレット』を作成するなど、皆様が在宅避難の準備に取り組みやすくするための支援をしていく予定です。
また、地震だけでなく、近年激甚化している風水害も、あらかじめハザードマップの確認を。一人ひとりが避難行動を考えておくことが大切です。災害を他人事としてとらえずに、一人ひとりが少しずつでも備えを進めていただきたいと思います」
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