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金沢区・磯子区 人物風土記

公開日:2012.06.14

15人制女子ラグビー日本代表の最年少主将になった
鈴木 実沙紀さん
釜利谷東在住 20歳

「五輪」がブレない指標



 〇…5月19日、15人制の女子ラグビー日本代表の最年少主将として、香港とのテストマッチに臨んだ。「正直、当初はチームをまとめられるか不安で。焦りもあった」。悩んだ末、たどり着いた答えは「今、自分にできることをする」。「うまくまとめることより、誰よりも声を出して、プレーでチームを引っ張っていこう」と迷いを絶った。前半こそリズムがつかめず苦戦したが、終わってみれば61対15で勝利。「周りのサポートがあってこそ。いい経験になった」と語る。



 〇…部員数約100人を誇る関東学院大学ラグビー部の紅一点。男子と同じ練習メニューに汗を流す。「きついこともあるが、練習でやりにくいと感じたことはない」と言い切る。だが、体がぶつかり合うコンタクトプレーは、どうしても手加減が生じるとも。「だから女子部員は増やしたい。せっかく受け入れ態勢が出来たので自分で途切れないよう、後輩をしっかり勧誘しなくちゃ」と笑う。



 〇…現在は西区の実家を離れ、釜利谷で女子マネージャーと一緒に暮らす。活動的な印象とは裏腹に、オフの日は家でゆっくり過ごすことも少なくないそう。音楽を聴きながら、黙々と読書やジグソーパズルをするのだという。「最近読んだのは、サッカーの澤穂希選手の本。トップアスリートとしても、女性としてもかっこいい。憧れです」。日本女子の競技人口が少ないスポーツでも、世界の頂点に立つことができる―その事実が勇気をくれる。



 〇…最終目標は「オリンピックでの金メダル」ときっぱり。7人制ラグビーは2016年の五輪から正式種目になる。「今の実力では無理だと思われるかもしれない。でも中途半端な思いではたどり着けないし、目標が薄いとブレてしまう」と強い意志の宿った瞳で語る。代表の試合は、個々が各チームでやってきた成果が試される場だ。「世界を驚かせる力」を、ホームの釜利谷グラウンドで磨く。

 

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