3月で解散する「かながわ女性起業家クラブ」の会長を20年間務めた 竹沢 佐知子さん 長浜在住 60歳
有言実行でチャンス掴む
○…20年前、女性起業家が集まるセミナー終了後に声をかけた。「この先も交流を望む人この指とまれ」。託児サービスで起業したばかり。「知識がなく経営者同士のつながりがほしかった」と話す。形もできぬまま交流会発足を新聞紙面で公言。以来「かながわ女性起業家クラブ」会長として経営者同士のパイプをつないできた。いつも有言実行。「先に言わなくちゃ。やりたい私がいるってアピールしないと」とにっこり笑う。
○…東京都内で過ごした少女時代は「緘黙児(かんもくじ)」。幼稚園に通わず、人前に出るたび緊張で固まった。小学4年で転校した横浜の環境が性格を一変。男女違わず外で駆け回るように。その頃、通えなかった幼稚園への憧れが膨み「幼稚園教員になる」と周囲に宣言。高校に進むと夢を知った教員の計らいで幼稚園や乳児院の手伝い、ピアノの稽古を開始した。「言っているとチャンスに出会えるんです」
○…夢を叶えたのも束の間、次の職場と出会えず6年間で教員生活を終えることに。その後、事務やプログラマーを経験。幼稚園と違う社会の中で、マナーや男女差なく働く意識を身につけた。それでも昼夜関係なしに働く日々の中で、後ろ髪をひかれるのは通りすがりの幼稚園から聞こえる子どもの声。「やっぱり子どもが好き。子どもに関わる仕事がしたい」。転職を経て、本当の気持ちに気づいた。
○…右も左も分からない経営者の卵を支えたのは、同じ志を持つ女性起業家の仲間だ。当初22人で発足したクラブには異業種が集い、勉強会や講演会を企画。事業やスタッフの教育に関する「知恵の引き出し」が増えたという。「でも経営者の前に人として気持ちの面で一番支えられた」と感謝を寄せる。出会い、話し、感じて信頼関係を築いた絆は固い。クラブはここで一度幕を閉じる。「これが最後じゃなく新たなつながりの始まり。未来のために閉店ガラガラ」。この先の新たな出会いに胸を焦がす。
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