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金沢区・磯子区 人物風土記

公開日:2014.07.31

今年4月に社会福祉法人すみなす会の理事長に就いた
木下 勝裕さん
富岡西在住 75歳

成長は素直な姿勢から

 ○…区内地域ケアプラザなど6施設を運営する「すみなす会」の新理事長。職務を行ううえで中心に据える考えは「人格の尊重」だ。「まるで子どもに接するような言葉づかいで利用者と接する光景が福祉施設にありうるが、それは人格否定に近しい」――同会の事務局長を約10年間務めながら、前理事長からこうした考え方を受け継いだ。常に利用者と対等な目線を持ちながら「求められるサービス」を追求していく。

 ○…結婚した頃、富岡に住み始めた。当時は近くに海があったので、早起きしては貝を取り、味噌汁に入れて食べていたという。「自然の豊かさが金沢区の良さだと思った」と振り返る。横浜市の職員として37年間勤務。1995年から3年間は金沢区長を務めた。いまや恒例となった「区民栄誉賞」が企画されたのが任期中。「当時は横浜高校に松坂大輔選手がいて春夏連覇した。関東学院大のラグビーも強かった。区民に希望を与える人々を表彰したいという考えがあった」と振り返る。

 ○…愛知県春日井市生まれ。「姉が6人で妹が1人。男は自分だけ」という家庭の中に生まれた。「戦時中ということもあり、待望の男だった。ずいぶん可愛がられたと思う」。かといって姉と一緒に「ままごと」していたわけではなく、缶蹴りや相撲などの「外遊び」に夢中だった。「周りが女性ばかりだったから、あえて男らしくいたい気持ちが大きかった」と振り返る。男らしさを求め、学生時代は空手や柔道、合気道などの武道に熱中した。「文科系だねと言われると『心外だ』と思ってしまう」と笑う。

 ○…大学で始めた合気道は現在も継続している。「合気道錬身会」の会長で段位は7段。毎年9月には演武を披露している。学んだことは「素直な姿勢」だ。「黒帯でも白帯に負けることも。どんなことでもそうですが、人のアドバイスを素直に取り入れないと、欠点は補えないと思います」

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