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ノンフィクション「明治のサーカス芸人はなぜロシアに消えたのか」著者の 大島 幹雄さん 富岡西在住 62歳

掲載号:2015年10月8日号

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サーカス芸人に魅了され

 ○…著書「明治のサーカス芸人はなぜロシアに消えたのか」が文庫版となり発刊された。ソ連における戦争や革命、大粛清に翻弄されながら、逞しく生きた「日本のサーカス芸人」を描いている。外交資料やロシアに残る手記などを、約30年の歳月をかけて集めた。資料の少なさから真実にたどり着けない苦しみもあったが、それでも追い続けた理由を「当時の人による『生きざまを伝えてくれ』という声に動かされた」と話す。

 ○…本業は「サーカスプロモーター」。海外からサーカス団や道化師を招き、日本の公演を企画する。サーカスの演者は、危険を顧みず文字通り命をかけて芸に取り組む。「その真剣な眼差しが好きだ」という。約30年携わって知った魅力に「サーカスに関わる人は、別れの際、”さよなら”ではなく”またね”と言う」ことを挙げる。世界中を飛び回っていても、どこかで再会の機会がある、不思議な縁で結ばれているという。

 ○…学生時代にロシア語を学んだ。ロシア演劇を学ぼうと大学院を目指すが受からず。就職難のなか仕事を探し「バイト感覚」で入社したのが、海外からサーカス団を招く会社。いきなりロシアのサーカス団と同行し、3カ月間全国を回った。担当はクマの調教師のサポート。肉体労働が多く、一緒に始めた仲間が皆やめるほどの辛さだったが「全国をタダで回れる仕事」と喜んで続けた。苦楽を共にしたサーカス団、とりわけクマとの別れに大号泣したのは良い思い出だ。

 ○…海を渡ったサーカス団について残る謎はまだまだある。「これで終わりではない。彼らを追いかけ続ける」と前を見据える。またライターとしての経験を生かし、出身地の宮城県石巻市で震災復興に焦点を当てた地域誌を発行しようと準備中だ。「ライフワークとしていきたい。『あなたはライフワークが多すぎる』と家族に言われますが」。真実を追求する情熱は、留まることはない。

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