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金沢区・磯子区 社会

公開日:2026.07.09

金沢文庫 歴史資料群明らかに 文書内に木曽義仲の名も

  • 重要文化財 木造阿弥陀如来立像(大阪府・大通寺)=県立金沢文庫提供

    重要文化財 木造阿弥陀如来立像(大阪府・大通寺)=県立金沢文庫提供

  • 重要文化財 木造阿弥陀如来立像 像内納入文書取り出し時の像内の様子=大阪市教育委員会提供

    重要文化財 木造阿弥陀如来立像 像内納入文書取り出し時の像内の様子=大阪市教育委員会提供

 県立金沢文庫=金沢区金沢町=が2010年から大阪市の大通寺から寄託を受けている国指定重要文化財「木造阿弥陀如来立像附阿弥陀如来印仏(八十一通)」内に収められていた文書が、源平合戦(治承・寿永内乱)期の歴史的資料群であることが明らかになった。

 約1メートルの像内に収められていた81通の文書に無数の「印仏」と呼ばれる仏像のスタンプが押され、判読が困難だった。24年度から25年度の2年間にわたり、東京大学史料編纂所一般共同研究グループが調査を実施。人工知能(AI)による印仏の除去など試行錯誤を重ね、研究者の経験と勘を生かしながら翻刻が進められた。結果、文書内の「藤原実清仮名消息」は平安時代末期の貴族・藤原実清の自筆書状を中心とする史料群であることが判明。実清の死後、周囲の人々がゆかりの書状を集めて印仏を押し、追善供養のために像内へ納めたとみられる。

 内容は、実清が仕えた鳥羽天皇の皇女・八条院の領地運営に関わるもので、その多くが同一筆跡であった。さらに、源平合戦期の混乱した地方情勢も記録されていた。「隆政書状」には木曽義仲の名でも知られ、源義仲を指すと考えられる「左馬頭」の名があり、八庁院の領地の管理者が「軍勢の乱暴を止めてほしい」と八条院庁へ訴える状況が伝わる。

 文書は同館で開催中の「特別展いわきの古刹長福寺と薬王寺」で7月20日(祝)まで公開されている。学芸員の貫井裕恵さんは「800年以上の時を超えてお像の中で大切に伝わった貴重な資料。今後も源平合戦期の様相を明らかにしていけたら」と話す。

 開館は午前9時から午後4時30分。毎週月曜休館(7月20日(祝)は開館)。20歳以上800円、20歳未満・学生600円、65歳以上200円、高校生100円、中学生以下と障害者無料。

 土・日・祝の午後2時と3時からは、ボランティアによる展示解説も。事前申し込み不要。問い合わせは県立金沢文庫【電話】045・701・9069。

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