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有人潜水調査船「しんかい6500」の司令として世界の海を回る 櫻井 利明さん 港南区在住 55歳

掲載号:2015年11月19日号

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深海の世界を切り拓く

 ○…横須賀を出発し、母船を離れて海底深度6500mまで潜ることができる有人潜水調査船「しんかい6500」の司令として世界の海を回る。これまでの潜航回数は431回を数えるが、「真っ暗闇の中から初めて海底が見える瞬間が1番好き」。経験を重ねても潜航の度に新鮮な気持ちを覚えるという。

 ○…商船の乗組員だった叔父の影響で、子どものころから「いつか船で世界中の港へ行ってみたい」と強い憧れを抱く。県立三崎水産高校(現・海洋科学高校)へ進学し、就職先を考え始めた頃に偶然手に取ったのが「しんかい2000」運航チームの求人チラシだった。「潜水調査船は、映画の『日本沈没』で観ていたからすぐにピンと来て。みんな潜水艦と思って手に取らなかったみたい」と笑うが、晴れて配属も決まり、1982年に初潜航した。

 ○…6500は世界の深海調査研究の中核を担っており、研究内容は地球内部のプレートの動きや深海生物の生態調査など多岐にわたる。「多分野の研究者と仕事ができるのも魅力」と話すが、「想定の100%の操縦ができることはほとんどない。80%以上できたときは達成感でいっぱい」というほど難易度の高い役割。調査前夜は興奮と操縦のシミュレーションで眠れないこともある。08年以降は司令として、母船から潜水調査の指揮をするほか、人材育成にも携わる。競争が激しさを増す世界の深海調査。完成から四半世紀が経つ6500の次世代船の開発も期待される今、深海の世界を広くPRしていくことが鍵を握る。「今の子どもたちが大人になるころには、構想中の『しんかい12000』の開発を実現するのが目標」と前を見据える。

 ○…年間180日は調査航海で自宅を離れる。「長年海に出て集中して仕事ができているのは、妻が家庭をしっかりと守ってくれるから」。未知の世界への期待と責任を胸に、心強い”母船”から深海に臨む。

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