南区のパン店の店主で商品がパン専門サイトの「パンオブザイヤー」に選ばれた 佐々木 建治さん 磯子区汐見台在住 46歳
食の安全、パン作りで発信
○…南区の弘明寺商店街そばで2012年から開く「あいわパン」で販売する「焼きカレーパン」が昨年、パン専門のコミュニティーサイトが選ぶ「パンオブザイヤー」のカレーパン部門で金賞に輝いた。「インド料理店でカレーを試作してもらったり、自宅で試行錯誤しながら開発をした」と振り返る。「試作品が増え過ぎて、妻がカレーを作らなくなった」と苦笑い。今では1日に約1千個のパンを作る人気店になった。
○…磯子区栗木の出身。金属加工会社などに勤務したが、「いつか自分で事業を行いたい」という夢は持ち続けていた。自分の裁量と責任で働ける仕事がしたいと考え、起業や独立を支援するセミナーに参加。「転職を考えていた時もパン屋をやるとは考えていなかった」と笑う。しかし、参加していたプロジェクトが無添加生地で体に優しいパンを作っていたことや、子どもに健康な食生活を送ってほしいと考え、開業。「少しでも安全な食材でおいしいパンを地域の方々に提供する」をコンセプトに、国産小麦100%使用の無添加生地にこだわる。
○…16年、磯子区田中の「イル・デ・パン」の「チキンカレーパン」がパンオブザイヤーの金賞に選ばれたことに刺激を受けた。店のオーナーに連絡し、交流が始まった。「自分のパン作りがまだまだだとふがいなさを覚えた」。それから1年、「素晴らしいカレーパンを作りたい」という一心で栄誉を手にした。
○…妻と3人の子どもと暮らす。定休日も仕込みを行うため、数時間は店に行く。映画鑑賞や釣りなど多趣味だが、没頭できる時間がないのが悩み。パンの仕込みのため、夜中に起きて出勤している。「大変だけど、パンオブザイヤーなど、これまで強く思い続けてきたことはほとんど実現することができた」と目を輝かせる。「今後は店を大きくしたい」と目標を語り、おいしいパンを子どもや地域に届け続ける。
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