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金沢区・磯子区 人物風土記

公開日:2019.09.12

10月からシドニー総領事館公邸料理人となる
佐伯 光茂さん
金沢区釜利谷東在住 64歳

料理で国の架け橋に

 ○…6月下旬にオファーがあり、1週間での返答を迫られた。「この年でも新しいことにチャレンジできることに嬉しさを感じた」と決断。釜利谷東に16年構えた店を8月で閉め、10月からシドニーに渡る。総領事館公邸料理人として要人らをもてなす。

 ○…釜利谷小学校、金沢中学校出身。「母親の手作りの料理が本当に美味しかった」。料理人の道に進みたいと自分で求人を見つけ高校卒業後にホテルオークラに入社。「周りは専門学校を卒業した人ばかりだった」。初めは食器洗いから始まり、業務後に技術を磨いた。禁止されていたアルバイトでひたすらキャベツを千切りしたことも。努力が実り26歳でオランダの支店へ。3年間修業し本場の味を身に付けた。帰国後は高円宮家の担当シェフとして働いた。30歳で憧れの「高帽」をかぶった。「お客様に美味しい料理を提供したいという一心だった」

 ○…両親の介護もあり30年務めたオークラを48歳で退職し釜利谷東に「ばんぼしゅ」を構えた。特にこだわったのが「健康」。グラム単位で味を調整し素材を生かした調理で、子どもから年配の人まで食べられる味付けで料理を提供した。「『美味しかったです』と直接言ってもらえ反応がダイレクトにあったことも個人経営ならでは」と振り返る。

 ○…「趣味は料理。体が続く限り作り続けたい」。胸に持ち続けるこの思いも今回の決断を後押しした。「縁を頂いた紀谷昌彦総領事からは『ばんぼしゅでのもてなしをそのまま行ってもらえれば』とうれしい言葉を頂いた」と笑顔に。カンガルーやワニを使った新メニューもすでに頭の中にある。料理を通して、国と国の架け橋に―。「一生勉強、一生青春という思いでまずは70歳まで目標に作り続けたい」

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