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金沢区・磯子区 人物風土記

公開日:2020.06.18

4月1日付で金沢動物園の園長に就任した
小國 徹さん
金沢区釜利谷東在勤 60歳

笑顔になれる動物園に

 ○…金沢動物園が開園した38年前、飼育係として採用された3人のうちの1人。以来16年間、シロイワヤギやプロングホーンなどの世話をし、日本初となるオオツノヒツジの繁殖にも携わった。23年ぶりに園長として大好きな動物園に戻り「忘れ物を取りに帰ってきた感覚かな」と笑顔を見せた。

 ○…宮城県出身。農業高校を卒業後、進学と同時に上京。新聞奨学生として働きながら専門学校に通った。市の職員として採用され、法律を勉強しようと動物園の勤務後、夜間に大学へ通った。「動物園は社会教育施設、博物館施設でもある。専門的な知識を仕事に活かしたかった」と卒業後は聴講生として学芸員と社会教育主事の資格を取得した。さらに30代で大学院に進み環境社会学を学んだ。「勉強は遊びに通じているところがあって。知らないことを知るとワクワクが止まらなくなるんです」

 ○…「本物のウグイスよりうまく吹きたいんです」と話す口笛は趣味を通り越しライフワークの一つ。「息を吸い口の中で転がし、ほっぺの内側で振るわす感覚」と独学で磨いた技で園内に響く鳴き声に呼応する。ピアニストとペアを組み昨年は年60回イベントに出演。マイクなしで公会堂で曲を吹くことも。各区の区民まつりなどへの出演歴もあり「口笛おじさん」として有名人だ。

 ○…「入り口から見た高台の景色は23年経っても変わらない」。市職員として区役所などで勤務していた時も頭の片隅には動物園のことが。「みんな笑顔になってくれる動物園の空間が好きなんです」。新型コロナの影響で3カ月以上閉園していたが、11日にようやく園長として来園者を出迎えた。「みんなが笑顔になれる動物園にしていきたい」

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