11月13日の文化講演会で講師を務める関東学院大学客員教授の 永井 晋さん 金沢区在勤 62歳
尽きぬ向上心で探求
○…県立金沢文庫の研究員を約30年勤め、「金沢に関することなら何でもやった」と振り返る。その中でも専門としたのが鎌倉時代の北条氏だ。11月13日の文化講演会では、培ってきた知識を存分に生かし、来年の大河ドラマと金沢との関わりを講演する。
○…父親が歴史小説が好きで、家には多くの本があった。小学生の時の愛読書は吉川英治の「三国志」。中学では中国古典を網羅した明治書院の「新釈漢文大系」を読み漁った。「描かれている人の生きざまが面白かった」。数ある選択肢の中から、史学を選びその流れで大学院から県教育委員会へ。日本最古の武家文庫と言われる金沢文庫に配属された。
○…称名寺の所蔵品がある金沢文庫は、まさに「宝の山」だった。だからこそ「誰よりも詳しくあるべき」との思いは強い。資料を見にくる研究者との対話は、自身の知識を深める絶好のチャンス。「お互いに知っている情報を引き出そうとして、すごい駆け引きがあった」と笑う。また、「金沢にある博物館として、北条だけでなく地元の人と接点を持つ展示をしないと意味がない」と専門外の展覧会にも積極的に関った。金沢は何代も続く地元の人がいる土地。「歴史は生き証人が一番大事。伺ったご先祖様が史実とつながっていく。金沢は横浜の中でも特別な土地ですね」
○…「どの世界でも自分より強い人とぶつからないと成長しない」という信念は、趣味の将棋でも。アマ5段を目標に、格上相手に勝負を挑み腕を磨く。「ミスを見逃さない相手とやらないと、自分の足りない部分に気づけない」とどん欲に上を目指す。「頭が冴えている間に、やりたいことはまだまだある」とも。歴史も趣味も尽きぬ向上心で突き進む。
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