年齢や障害に関わらず、誰でも利用しやすいよう設計された「ユニバーサルデザイン(UD)タクシー」。横浜市では補助金制度を設け、今年度から3年間で240台導入を計画するが、認知度の低さから乗車を避けられるケースもあるという。普及には事業者側の周知に加え、UDへの乗客の理解も求められる。
UDタクシー導入を促進しようと、国交省では2011年度から補助金制度を新設した。県タクシー協会横浜支部でも、交通バリアフリー化に取り組もうと市に事業化を要望。1千万円が予算化された今年度は、46社71台を目標としているが、12月末時点で目標の6割にとどまっている。
UDタクシーは介護専用ではないため、通常の流し運行で営業する。予約せずに街中で乗車できるのが特徴で、料金も変わらないが、見慣れない車体から乗車を避ける人も。同車両のドライバーは「無線配車がほとんど。流し運行では、3人に1人は挙げた手を下げてしまう」とこぼす。台数が限られ、予約したくても空きがない場合もある。
同支部・UDタクシー導入推進委員会の藤井嘉一郎委員長は「乗客が増えず採算がとれないと、事業者も導入しづらい。福祉車両として共存させるためにも、UDへの理解を深めてほしい」と話す。一方で、市に普及を要望した市身体障害者団体連合会では「事業化されたのは喜ばしいが、台数が足りず、街中で呼び止めるのが難しい。全体の30%がUDになれば」と話す。
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