市電保存館 新装オープン 小学生も参加し記念式典
滝頭にある横浜市電保存館(山崎勲館長)が7月20日、リニューアルオープンし、記念式典が催された。1973年の開館から40年を経て、当時の様子がよりわかる交通資料館に生まれ変わった。改装に伴い、約2カ月の間休館していたが、当日は夏休み初日ということで親子連れも多く、鉄道ファンらとともにオープンを祝った。
式典には、横浜市交通局の二見良之局長や一般財団法人 横浜市交通局協力会の清水一男理事長らが出席。それぞれ「市電は横浜の発展を支えてきた。多くの方にご覧になっていただきたい」「近隣の方々の理解、協力によってリニューアルが進められた。より親しまれ、愛される施設になってほしい」と挨拶した。
テープカットには、朝早くから開館を待っていた小学生2人も参加。西区在住の狩野光紀君は、「初めてだったので緊張した」と語るも、終了後は新装された保存館を楽しんでいた。
往時を忠実に再現
この保存館は、横浜を最後の市電が駆け抜けた1972年の翌年、市電滝頭車庫の車両修繕工場跡に開館した。近年は毎年約5万4000人が来館。開館40周年を機に今年、リニューアル工事が行われた。
以前は、グレーの壁に暗い照明で、子どもが怖がって奥まで行けなかったり、入口正面が壁で仕切られ、奥に何があるか分からず、来館者が帰ってしまうこともあった。新しい館内ではそれらの問題点を解消し、加えてトイレの改装やバリアフリー化も進めた。
施設の入口に展示されている年表は、今回独自に作成したもの。これまで、市電の歴史を整理した公式の年表はなく、今回初めて市のデータを用いて作られた。
また、市電展示コーナーでは、奥行き感演出ため、壁に昔の伊勢佐木町の街並み写真を転写したり、車両横にプラットホームを設置するなど、市電が走っていた当時の様子を再現。展示されている6台の客車と1台の貨車も、塗り替えや復元が行われた。座席やタイヤといった、傷んでいた備品の修理などには地元住民も協力している。
|
|
|
|
|
|