横浜保育室事業者 「新制度移行に不安」9割 市アンケートで判明
市が市内の保育事業者向けに行った子育て支援新制度に関する意識調査の結果をこのほど公表した。これによると、これまで市独自の基準で認定を受けていた「横浜保育室」の9割が新制度への移行に不安があると答えていることが分かった。
2015年度の施行に向け国が進める「子ども・子育て支援新制度」では、保育サービスの供給拡大や質向上などを目指し、幼保一体施設や小規模認可保育所の創設などが検討されている。これに伴い市は事業計画を協議する市版「子ども・子育て会議」や、事業者説明会を実施し準備を進めている。
市内の保育事業者が新制度で給付を受けられる「認可」に向け模索を続ける中、市が独自の基準を設け助成を行ってきた「横浜保育室」からは今後を不安視する声が聞こえてきた。
国基準が壁に?
アンケート(11月18日公表)では、説明会に参加した横浜保育室の91%が「新制度を迎えるにあたって不安や心配がある」と答えた。理由としては「現在の施設が認可基準を満たしていない」が69%と最も高く、「認可の要件である預貯金等の見込みがたたない」が37%と続いた。
新制度で「横浜保育室」の移行先と考えられるのは定員数20人以上の「認可保育所」「認定こども園」と、定員数6〜19人の小規模保育事業。認可基準は今後国から示される予定だが、待機児童問題解決などを目指し市が国の基準を緩めるかたちで認定してきた「横浜保育室」は、保育士率や面積・設備基準で保育所認可に適合するところが少ないと見られている。
市は新制度移行後も現在行っている「横浜保育室」への助成を継続し、新制度移行に向けサポートを行うとしているが、説明会に参加したある事業者は「いつまで助成が続くか不安。うちはテナントに入っているため認可基準を満たすための施設改修も難しい。小規模化して運営が成り立つかどうか」と胸のうちを明かした。
国の「子ども・子育て会議」に参加する奥山千鶴子さん(「子育てひろば全国連絡協議会」理事長)は「認可に向け、ハード面の基準を満たすための財政支援などを国や自治体が行っていく必要がある」と指摘する。
市こども青少年局企画調整課では、「横浜保育室は市の待機児童対策にも欠かせぬ存在。今後もよいパートナーシップを築いていくため、まずは個々の状況を把握した上で対策を考えていきたい」とし、現在個別相談を実施している。
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