滝頭の横浜市環境科学研究所(白栁康夫所長)で8月2日、この場所では最後となる施設公開が行われた。毎年夏休みの時期に開催され、学校の自由研究に取り組む子どもたちをはじめ、区内外から多くの人が訪れるイベントだったが、建物の老朽化などにより今年度末に神奈川区に移転することとなり、滝頭での実施は最後となった。
夏休み真っ只中の8月最初の土曜日、施設公開には親子連れをはじめ、多くの人が訪れた。
施設内では、ビニールに入れた物質を検知管で簡易測定する実験や、リトマス試験紙を使って様々な物の酸性、アルカリ性を調べるコーナーなどが設けられ、子どもたちが真剣な表情で実験に取り組んだ。また、日ごろ横浜港の海水などの放射能を測定している分析機器などの展示もあり、来場者は環境について学んでいた。
38年の歴史に幕
環境科学研究所は1976年4月、公害対策局所管の市公害研究所として現在の場所に設置された。
当時、自動車の排ガスをはじめ、様々な公害が社会問題となっていた。それを受け、施設では浮遊粒子状物質や水質の測定や分析、調査などを実施。アスベストや酸性雨、放射能、ダイオキシンなどの分析、調査なども行っている。
施設建設から38年が経過し、建物の耐震不足や老朽化した研究設備の更新といった問題が発生。現在地での建替えも含めて検討が行われた。
しかし、工事期間中も継続的に測定を行う必要があり、建替えの間の代替施設の準備でより多くの予算が掛かることなどから、今年度末で現在の施設を閉鎖し、神奈川区内にある民間の研究施設専用テナントに移転することとなった。
跡地利用は検討中
現在の施設は、伝染病の専門病院であった市立万治病院の敷地の一部を借りる形で建設された。万治病院閉院後、跡地には現在の市立脳血管医療センターが建設されており、研究所が建っている場所も同センターの管理となっている。
研究所では「取り壊し後の跡地利用は市やセンターなどで検討中」と話した。
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