根岸なつかし公園旧柳下邸の建物が改修のため、10月15日から12月13日までの約2カ月間、休館となっている。今年2月の大雪で大きく損傷した雨どいの補修などを行う。
旧柳下邸は明治から大正期の有力商人であった柳下氏によって建設された。建物は日本家屋式の東館、西館、藏と、洋館から成り、和洋が一体となった造りとなっている。
建物は代々、柳下家によって受け継がれてきたが、1996年に横浜市が敷地を取得し、建物の寄附を受けた。その後、できる限り創建当時の姿に戻すための改修が行われ、市の公園として一般公開を開始。年間約1万人が訪れており、2002年には市有形文化財の指定を受けている。
2月の大雪で被害
今回の改修は今年2月、10年に1度ともいわれる大雪が2度続いたことが原因。積雪により建物の雨どいが曲がったり、傾いたり、場所によっては壊れるなどの被害が出た。そのまま放置した場合、屋根に降った雨粒が地面へ勢いよく落ち、跳ね返ったしぶきで木製の建物の土台や壁、戸などが濡れ、腐食しやすくなるという。
施設では早急な補修を行うべく手配を始めたが、文化財である旧柳下邸の修理は専門業者に依頼する必要がある。施設側としては利用者への影響を最小限にすべく、来館者が少なくなる夏の工事で調整を進めたが、業者のスケジュールの空き状況などを踏まえ、今月からの実施となった。
施設の担当者は「秋から12月にかけては、多くの方が来館される。この時期の補修は避けたかったが、工事を遅らせれば遅らせるほど、建物へのダメージはますます大きくなってしまう。貴重な文化財を守るため、工事を優先した」と、今回の補修について話した。
工事期間中、建物は休館となるが、公園内の遊具などが設置されている部分は引き続き利用できる。
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