磯子福祉保健センターは11月11日の介護の日に合わせ、磯子区役所前とJR磯子駅前、杉田商店街の3カ所で「高齢者虐待防止キャンペーン」を実施した。市内では高齢者虐待に関する相談の件数が年々増えており、2013年度の件数は392件。こうした状況を受け、区では「高齢者虐待」の認知度を高めようと、区内初となる今回のキャンペーンを企画した。
高齢者虐待には、高齢者をたたく・殴る・ベッドに縛り付けるといった身体的虐待、介護や世話をしないネグレクト、金銭や財産を勝手に使う経済的虐待、怒鳴る・ののしる・無視するといった心理的虐待などのタイプがある。
市内では13年度、392件の相談があり、虐待と認定した相談の中では、身体的虐待が43%と最も多く、次いで心理的虐待が23%、経済的虐待とネグレクトが17%と続いている。
特徴的なのは、被虐待者の約75%が女性で、その夫や息子から虐待を受けるケースが多いということ。また、被虐待者には認知症の症状がある場合が多い。
「初めて聞いた」の声
13年度、区には地域ケアプラザや介護事業所で働くケアマネージャーなどを通し、約30件の相談が寄せられた。区の担当者は、虐待の背景を「認知症への理解不足や介護ストレス、介護を一人で抱え込んでしまうことなどが挙げられるのでは」と説明する。
こうした状況を受け、区では今年度から高齢者虐待の認知向上をめざし、独自で普及・啓発活動を企画。11日のキャンペーンには、区職員と地域ケアプラザ職員、区内の介護事業所に勤めるケアマネージャーといった、地域の高齢者を支える関係者が参加し、市内でも珍しい取り組みとなった。
当日はパンフレットや、相談窓口となっている区高齢・障害支援課と7つの地域ケアプラザを紹介するポケットティッシュを配布。啓発グッズを受け取った人は「高齢者虐待という言葉を初めて聞いた」など口にし、虐待についての関心を深めていた。
磯子区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|