栗木にある自家製酵母パンfukumimi(フクミミ)の工房で毎月第3土曜日に開かれている「小さな市」が一周年を迎えた。地元で活動する職人が手作り品を並べ、訪れた人と交流を深めながら商品に込められた思いを伝えている。
パン工房が主催
「小さな市」の会場は、栗木神社の近くにある自家製酵母パンfukumimi(フクミミ)の工房とガレージスペース。主催するのは、工房のオーナー・瓜生奈美さんだ。
4月18日に行われた市には、手染めのストールや小物などを扱う森屋本舗(洋光台)、革靴や革小物を扱うHansABO(ハンズアボ)(栗木)、菓子・ジャムなどを扱う朱美工房(洋光台)、アロマセラピストなど、区内で活動する職人らによる手作りの品々や、峰町で採れたふきやタケノコなどの野菜が並んでいた。「小さな市」は出店者が持つそれぞれのネットワークや、近隣住民らの口コミなどで広まり、この日も常連客などが買い物に訪れていた。
職人の思い伝えたい
主催者の瓜生さんは、市に手作りの品を並べる理由について「『小さな市』が、作り手が思いを込めて作った品と出会う場にしたかったため」と話す。
瓜生さん自身も、自然素材を用いて自家製酵母を使ったパンを作る職人。できるだけ環境に負荷をかけない栽培方法で生産された食材や、アレルギーがある人も安心して食べられる材料を使うなど、商品の販売やパン作り教室を通じ、購入者や参加者と交流しながらこだわりを伝えてきた。
2014年に入り、こうした活動を身近な地域の人にも広げていければと「小さな市」を企画。港南区で無農薬野菜を栽培する人や、洋光台のイベントで体験会を行っている人など、地域で活動する人たちとともに、作り手の思いの詰まった品を揃え、昨年の春から定期的に開催している。
出店者の一人、森屋本舗の森陽子さんは「地域の方や出店者同士で品物について話しながら交流を楽しんでいる」と話す。瓜生さんも「こだわりを押し付けるのでなく、来た人が楽しいと思ったり、新しい発見があったと感じてくれれば嬉しい」と思いを語る。
開始から一年が経ち、手作り品を通じて地域の交流を育む「小さな市」。地域の中で静かなムーブメントとして定着している。
磯子区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|