悲惨な戦争の記憶を風化させない――。戦後70年の節目に、横浜市磯子区遺族会(中込弘行会長)はあす7月24日から30日まで磯子区役所で「平和記念パネル展」を初めて開催する。会員が保持している戦没した肉親からの手紙や写真などの遺品を展示する。
横浜市磯子区遺族会は一般財団法人日本遺族会の傘下で、大東亜戦争の戦没者遺族の組織。現在は112人が会員に名を連ねる。
同会では今年、戦後70年をむかえるにあたり「過去の悲惨な戦争の記憶を風化させることなく、一人でも多くの人、特に若い世代の人々に関心をもってもらいたい」とパネル展を初めて企画した。2年前から準備をはじめ、戦没者の遺影や戦中に親族から送られてきた手紙、パプアニューギニアでの遺骨収集事業の様子など22枚のパネルにまとめ展示する。
戦争で父親を亡くした会長の中込さんは「戦争でかけがえのない肉親を失った私たちには、平和の尊さを伝える責務がある。今回のパネル展を一人でも多くの磯子区民の方々に見て頂き、平和への思いを心にとめて頂ければうれしい」と開催への思いを話す。
遺族会の監事を務める新井紘さんは、3歳の時に終戦をむかえた。母親の実家が中原で、空襲警報が鳴ると防災頭巾をかぶり、防空壕に逃げたことを記憶しているという。
新井さんは「会員は、肉親を亡くした同じ境遇の方々。遺族も高齢化が進み、戦争を知らない世代が大半となった今だからこそ、子どもや女性に悲しい思いをさせてはいけない、二度と戦争をしてはいけないということを、パネルを通して伝えられたら」と話す。
平和記念パネル展は午前9時から午後4時30分まで。24日は午後1時から、30日は正午まで。
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