病院とかかりつけ医を結び付け、医療や介護事業者間の連携を深める「在宅医療連携拠点」が11月16日から磯子区医師会館内(滝頭2の31の6)に開設された。横浜市から委託を受けた磯子区医師会(武安宣明会長)が運営。区内の医療・介護情報を集約し各機関の橋渡し役を担う。
横浜市は、団塊の世代が75歳以上になる2025年には75歳以上の人口が15年と比べ約1・4倍の58万6千人となり、在宅医療を必要とする年間患者数は1・7倍の5万5千人になると推計している。
これまで、ケアマネジャーらを含め区全体の医療・介護情報をとりまとめる組織はなかった。市の担当者は「ケアマネジャーが病院や医療の情報など、介護以外のことを把握することが難しいケースもあった」と話す。
市は超高齢社会に対応するため医師会と協働し、医療・介護事業者のコーディネート役となる「在宅医療連携拠点」を順次開設。2013年に西区でモデル事業を開始し、今回の磯子区で16カ所目となる。市は2017年度までに全区展開する予定だ。
看護師2人が対応
磯子区の拠点は、医師会館内に設けられ、ケアマネジャーの資格を持つ2人の看護師が対応にあたる。これまで病院やケアマネジャーが個々に行ってきた「かかりつけ医の確保」「訪問リハビリの情報提供」などを一括して行う。医療依存度の高い高齢者が退院してもスムーズに在宅医療を受けられるように支援する。
また、地域包括支援センター(地域ケアプラザ)やケアマネジャーなどからの相談、支援のほか、在宅患者急変時の受け入れ病院の確保などの連携業務も行う。地域包括支援センターの現場からは「介護現場と在宅医療サービス支援を円滑につなげることが期待できるのでは」といった声が聞かれる。
磯子区独自のシステム
磯子区の連携拠点は、独自のシステムを取り入れる。西区などの事業は、在宅医療を受ける場合、連携拠点からケアプラザごとの地域で決められた担当医師を介し、訪問診療医を紹介する形を取っている。磯子区では、連携拠点から直接、訪問診療医を紹介する独自のシステムを導入。患者が急変した際は、連携する11の病院が患者を診る仕組みとなっている。
訪問診療医を増やす
在宅医療を進める上で必要になるのが訪問診療医だ。横浜市によると現在、在宅療養支援診療所として関東信越厚生局に届出を出している区内の医療機関は10カ所。区医師会では、拠点開設を機に在宅医療に関わる訪問診療医を増やしていく方針。
武安会長は「区内の訪問看護ステーションや歯科医師会、薬剤師会も協力して頂くことになった。オール磯子で事業を推進していく体制が整った」と話した。
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