磯子区では地域防災の未来の担い手を育てようと、今年度から「磯子区少年少女防災事業」を開始した。訓練への参加減少など子どもたちの地域防災への関心が薄れる中、行政と子ども会などが連携し防災体験に取り組むことで、地域防災との距離を縮めたい考えだ。
磯子区少年少女防災事業は、区内の幼児や小学生、中高生などを対象に、防災を学ぶ体験等の催しを提供していく事業。子どもたちを未来の地域防災の担い手と捉え、地域を通じて防災活動を身近に感じてもらおうと考案された。
初年度の活動としては、8月に「横浜市民防災センター見学会」などを企画。毎年開催している磯子消防署での職業体験「キッズわくわく消防体験塾」の参加募集を、事業登録団体向けにも行う。趣旨に賛同する各地区の子ども会や放課後キッズクラブなどの団体が登録し、催しの案内などを受け取っている。事業開始後の4月以降、団体登録が進み、今月から見学会や体験塾への募集が始まった。
同事業の背景について、事務局を務める磯子消防署予防課の担当者は「子どもたちと地域の防災活動との間に距離が生まれている現状がある」と語る。防災教育や訓練が学校で展開される一方、自治会町内会といった地域の防災訓練への子どもの参加は減少傾向にある。自治会町内会の限られた予算で子ども向けの防災学習の催しを実施するのも難しい状況があるという。担当者は「災害時は自分の住む町や周りで暮らす人たちとの助け合いも必要になってくる。学校だけで防災を学ぶのではなく、地域の人たちと取り組む防災の活動も身近に感じてもらいたい」と話す。
今回事業に登録した岡村地区子ども会連絡協議会の宮澤章会長は「リアルな体験ができることは子どもたちにとっても貴重な機会。事業を通じて、子どもたちと地域防災の距離が近づけば」と期待している。
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