10月27日に投開票が行われた衆院選は神奈川2区(横浜市港南区、西区、南区)で自民党の前職・菅義偉氏(75)が10回連続の当選を決めた。神奈川4区(横浜市栄区、鎌倉市、逗子市、葉山町)は立憲民主党の前職・早稲田夕季氏(65)が3回目の当選を果たした。また、自民党の前職・山本朋広氏(49)は比例区と重複していたが、復活しなかった。
神奈川2区
10回目の当選を目指す元首相の菅氏に対し、立民、共産、れいわ、参政の新人4人が挑んだ。
27日、投票終了の午後8時過ぎにNHKが全国で最初に菅氏の当選確実を報じると、南区井土ケ谷下町にある事務所に集まった約50人の支援者から歓声が上がった。11万9548票を獲得し、2位以下を大きく突き放し当選した。
菅氏は党副総裁として東京の党本部にいるため、事務所には顔を見せず、代わりに妻の真理子さんが「厳しい選挙の中、当選できたのも皆さまのおかげです」とあいさつした。支持者の女性は「全国最初に当確が出るのは気分がいい」と喜んでいた。事務所には横浜市の山中竹春市長があいさつに訪れていた。
菅氏が選挙期間中に選挙区内で活動したのは公示日の15日と最終日の26日の2日間だけ。港南区では上永谷駅、上大岡駅で街頭演説に立った。
新人の柳家東三楼氏(48・立民)、並木まり子氏(73・共産)、三好諒氏(39・れいわ)、平本幸次郎氏(62・参政)は副総裁の牙城を崩すことは叶わなかった。
2区全体の投票率は、前回を1・67ポイント下回る54・33%。
神奈川4区
前職の早稲田氏と山本氏に新人2人が挑む形となった神奈川4区。
午後8時4分、早稲田氏の支援者約30人が詰めかけた由比ガ浜公会堂に当選確実のニュースが伝わると、会場は歓声に包まれた。直後に本人が姿を現すと、大きな拍手が送られた。2017年、21年に続いて3期連続で神奈川4区の最多票を獲得し、3選を果たした早稲田氏は、「地域でお支えいただいたみなさんの力があったからこそ、勝利することができた」と感謝を口にした。
自民党の政治とカネ問題への不信感もあり、早稲田氏は前回から3万票伸ばし、9万6874票を獲得。「統一教会問題、裏金政治からまっとうな政治へ」を掲げて戦い、「政治の信頼に対する国民の審判が下ったと思う」と述べた。
普段から栄区など地元のイベントなどに顔を出して市井の声を拾う早稲田氏は、「苦しい、声をあげられない方たちに支援を届けていきたい。政治があるから暮らしが良くなったと思える日本をつくっていきたい」と締めた。
「結果が伴わず」
6期目を目指した前職の山本氏は、旧統一教会と断絶宣言した上で、「カルトにNO!」「裏金にNO!」と信頼回復を訴えたが、4万4016票で小選挙区に続いて比例でも落選した。山本氏は事務所を通じてコメントを出し、支援者への感謝とともに、「結果が伴わなかったのは私の不徳の致すところ」と陳謝した。新人で日本維新の会から立候補した加藤千華氏(26)、参政党の津野照久氏(57)の2人も及ばなかった。
4区全体の投票率は、前回を2・58ポイント下回る59・12%。県内20選挙区では最も高かった。
神奈川県全体の当日有権者数は770万6949人で投票者数は420万2787人、棄権者数が350万4162人だった。県の投票率は前回を1・76ポイント下回る54・53%となった。
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