港南区・栄区 社会
公開日:2026.05.28
詐欺被害が急増 森川署長に対策法を聞く
「安全で誰もが安心して元気に暮らせるまち」を掲げている港南区。区内で今年、交通事故が昨年比で減少傾向にある一方、特殊詐欺の被害件数が大きく増している。詐欺の手口はより多様化しており、今年1月からの4カ月間で既に被害額が2億円(昨年同期比約1億円増)を超える危機的な状況だ。そこで港南警察署の森川大署長に港南区の現状、区民が気を付けるべき点について聞いた。
偽警官に注意
―港南署管内では特殊詐欺の件数が昨年同時期と比較して増加傾向ですが、被害状況を詳しく教えてください。
「非常に危機的な状況が続いています。今年1月から4月末までの認知件数は42件で、前年同期比でプラス28件と急増しています。被害額も約2億300万円に上り、こちらも前年より約1億円増加しています。県内54の警察署の中では、4月末時点で件数はワースト1位、被害額はワースト5位という極めて高い水準にあります。
手口としては42件中、オレオレ詐欺が15件と最多。次に預貯金詐欺、架空料金請求が続きます。県全体の傾向と比べて、港南区はあらゆる手口でまんべんなく被害が出ているのが特徴です。そのため『これだけ注意すれば安心』というわけではありません」
―どのような人が被害に遭いやすいでしょうか。
「『自分は騙されない』と過信している真面目な人ほど、一度信じ込んでしまうと大きな被害に遭うまで詐欺にあっていることに気づかない傾向があります」
-目立っている手口はありますか。
「『偽警察官』を名乗るケースが非常に目立っています。詐欺といえば『高齢者の固定電話』が狙われるのを思い浮かべる人も多いですが、最近は現役世代の携帯電話に直接かかってくるケースが増えています。
大前提として知っていただきたいのは、『警察官が金銭を要求することは絶対にない』、そして『逮捕状などをSNSで見せることはない』ということです。警察は秘匿捜査が基本ですので、ネット上で顔や書類を見せることはありません。このことを頭の片隅に入れていただければと思います」
―区民はどのような対策をとるべきでしょうか。
「2つの対策を港南署として現在、周知を図っています。1つ目は『折り返し作戦』の実施です。これは不審な電話があった際、相手の所属や名前などを確認して『一度、折り返します』といって通話を切るという作戦です。相手が警察官や役所の職員を名乗っている場合、本物であればかけ直した時にすぐに繋がるはずです。犯人であれば警戒して電話に出ない可能性が高いです。
2つ目は警察庁が推奨している詐欺対策アプリのインストールです。お使いの機種によって機能に違いがある場合もありますが、詐欺電話の疑いがある番号からの着信があった際に警告が表示され、着信拒否も可能です」
「だろう」は事故のもと
-交通事故の発生状況はいかがでしょうか。
「1月から4月の交通事故件数は103件(死者0人、負傷者114人)です。前年同時期と比較すると、件数、負傷者ともに減少しました」
-目立っている事故はありますか。
「二輪車関係の事故が突出して増えています。今年に入ってから45件発生しており、前年比でプラス18件の大幅増です。特に交差点における右左折時の事故(車対バイク、バイク同士)が目立ちます。二輪車が車のピラー(窓柱)の死角に入り込んで見落とされるケースがあり、二輪車側も、ヘルメットの着用で視野が狭くなりがちなことから、お互いに『気づけていない』ことが事故を誘発しています」
-事故を防ぐために、運転者・歩行者が意識すべき点は何ですか。
「運転者側については、慣れた道であっても日々変化する道路状況に対し、『大丈夫だろう』という慢心や焦り、考え事による注意散漫が引き金になります。
歩行者は、『横断歩道を渡っていても、ドライバーには認識されていないかも』という意識を常に持っていただきたいです。反射材を身につけるなど、存在をアピールするのが重要です」
-最後に区民へのメッセージをお願いします。
「港南区は地域全体の防犯・交通安全に対する意識が非常に高い地域だと感じています。私たちも、命に関わる凶悪犯罪や事故はもちろん、小さな事案であっても『心を尽くして親切に対応する』ことを徹底していきます。引き続き警察への迅速なご相談・ご協力(110番通報等)をお願いいたします」
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