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公開日:2015.01.15

初黄・日ノ出町地区
違法店一掃作戦から10年
住民ら 活動継承誓う

  • 協議会や警察、中区による防犯パトロールも=11日

 中区の初黄・日ノ出町地区で違法風俗店一掃を目的に実施された「バイバイ作戦」から、1月11日で10年を迎えた。当日には、同地区を学区に含む東小学校(西区東ヶ丘)で地域住民や警察、中区などの関係者ら約100人が出席し式典が開かれた。閉会にあたり黄金町交番前で「自立宣言」がなされ、「絶対に10年前には戻さない」という決意を確認した。

 式典を主催したのは地域住民らで組織する「初黄・日ノ出町環境浄化推進協議会」(杉江義夫会長)。これまでの活動報告や県警音楽隊による演奏、防犯パトロールが行われた。

 パトロール後には、黄金町交番前に集まり「自立宣言」が読み上げられた。10年前に宣言した違法風俗店「撲滅」の精神を引き継ぎ、地域住民が一致団結して「普通の町」になる活動継承を誓った。

一時は250店に

 同地区に違法風俗店舗が拡散し始めたのは1998年ごろ。95年の阪神淡路大震災を契機に、京浜急行線の高架橋補強が急務となり、日ノ出町駅から黄金町駅間の高架下で営業していた100余りの店舗が立ち退くことになった。

 その結果、これらの店舗は高架下周辺に移転し、また集積拡大することで2001年ごろには店舗数は約250に達した。

住民立ち上がる

 店舗が増加することで、多数働いていた外国人の不法滞在、また性病や人身売買などの問題が顕在化。風紀が悪化することで、住民からは家土地を売却して転居したいという声が出始めた。02年、町内会を中心に近隣住民が発起。日ノ出町と初黄(初音町と黄金町合同)の2町内会が協力し「風俗営業拡大防止委員会」を立ち上げた。警察や行政など関係機関に環境改善を働きかけるとともに翌03年には、住みよい町を目指す活動強化のため、「初黄・日ノ出町環境浄化推進協議会」を発足させた。

県警も本腰

 04年に中区が国へ取締強化を要望したことで、翌年に神奈川県警が「歓楽街総合対策推進本部」を設置、バイバイ作戦という徹底した取り締まりが開始された。県警は同地区に対策所を設置し、24時間の警備体制を敷いた。その体制は現在も維持されている。

「安心は禁物」

 住民発起を呼びかけた小林光政さん(83・協議会副会長)は「10年を経て危機感が薄らいできている。安心してはいけない」と警鐘を鳴らす。「20周年も見据えて活動を継続していくことが大切です」と話した。

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