キャッシュカードなどをだまし取るいわゆる特殊詐欺の予防のため、西区役所はチラシを作成し6月下旬から7月初旬にかけて区内5万戸に配布している。西区のほぼ全世帯を対象とした詐欺注意喚起は初めての試み。市の広報誌とともに自治会町内会を通して各世帯に届けられる。
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チラシはA4判カラーの両面刷りで、表面には「西区役所・戸部警察署から重要なお知らせです」と明記。「現金・キャッシュカードは渡さない!」「暗証番号は教えない!」と縁どられた赤文字でメッセージを伝えるシンプルな構成となっている。裏面には西区役所職員や銀行員、警察官、銀行協会などを名乗り、キャッシュカードをだまし取る具体的な手口が紹介されている。
被害は昨年の5倍
西区では、昨年を上回るペースで特殊詐欺の被害が発生。戸部警察署によると昨年1月から6月26日時点で被害件数は8件、被害額約700万円だったの対し、今年は同時期で18件の発生が確認されており、被害総額は約3700万円と昨年の5倍以上となっている。
6月に入り4日から6日にかけて立て続けに4件発生、その状況を受け戸部署では区民への啓発が必要と考え西区役所に相談。それを受け西区では、手に取って見てもらうために市広報誌の西区のページに記載するのではなく、単独チラシを選択し、さらに全戸を基本とする市広報誌とともに5万戸への配布を決めた。また「重要なお知らせ」と打ち出すことで注目を集めることをねらった。
西区役所によると、これまで特殊詐欺の注意喚起は自治会町内会の班ごとの回覧などで実施してきたが、全戸配布は初めてだという。地域振興課では危機感を持っていると説明し「西区から被害者を出さないという決意」と話す。また今回のチラシ配布により住民間で「特殊詐欺」が話題化し、口コミで注意喚起が広がることも期待する。区役所では、区内で発生した犯罪情報を提供する「防犯メール」も配信している。
戸部署は「特殊詐欺に対する区民の免疫を高めることが一番の対策」と話しており、そのためにもまずは区役所と警察がタッグを組み、広報に力を入れていく重要性を指摘していた。
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