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公開日:2025.12.25

市内NPO
性的少数者の保護所開設
暴力被害支援へ来年2月

  • 取り組みについて語る星野さん

 ドメスティックバイオレンス(DV)や性暴力の被害を受けるLGBTQ(性的少数者)や男性を支援しようと、神奈川区のNPO法人「SHIP」が11月に電話相談窓口を開設した。来年2月に一時保護所を開設する予定で、相談から自立支援まで一貫して担っていく。

 SHIPは2007年から性的少数者の居場所作りを行い、県や市の委託を受けて相談事業を実施。今回は性的少数者に加え、男性も支援する。

 性的少数者への暴力に関し、代表の星野慎二さんは「特に出生時の性と性自認が異なるトランスジェンダーの被害が深刻」という。SHIPへの相談でも戸籍は男性のトランスジェンダー女性が親から「男らしくない」と暴力を受けるケースがあった。また、性被害を受けた際、相談したことで第三者に性的指向や性自認を暴露されることを恐れて相談できないこともあるという。

 警察庁の統計によると、24年のDVに関する相談のうち、約23%が男性からで、増加傾向にある。しかし、星野さんは「『男は強くあるべき』といった固定観念にとらわれ、相談をためらっている人がいる」と話す。

相談から自立まで

 SHIPは、電話相談後の支援に力を入れる。例えば、同居人やパートナーから暴力を受け、同じ空間にいることが危険と判断した場合は、来年2月に設ける一時保護所で生活してもらう。県が設置する女性用の一時保護所はあるが、性的少数者用や男性用はない。SHIPの保護所では、スタッフが定期訪問し、弁護士らの助言も受けながら、心身の回復と自立へ向けた伴走を行う。

総合的な窓口

 星野さんは「暴力被害の支援は、性別や年齢によって縦割りになっている。複合的な問題を抱えていると、相談機関でたらい回しにされることがある」といい、総合的な窓口の必要性を訴える。

 今回の事業は県の「かながわボランタリー活動推進基金21」により、事業費が提供される。ただ、県の支援は最大5年間で、星野さんは「寄付などで支援していただければ」と呼びかける。

 相談窓口は【電話】045・620・7711、火曜日の午後7時から9時。

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