日蓮宗樹源寺 副住職 日比宣仁 連載6 法話箋 〜鹿苑〜 「成仏の方法〜三学〜」
仏教の目的は、人生で味わう苦しみを克服することです。そのために、自心の中にある穏やかな側面を見つけ出さなければなりません。この目的を達成したときを、成仏(じょうぶつ)と言います。釈迦は成仏するための方法として、戒学(かいがく)・定学(じょうがく)・慧学(えがく)の三学(さんがく)を説きました。戒とは健康的・社会的・倫理的な悪を止(と)めることです。
私たちは生きている上で、様々な嫌悪感や絶望感を体験します。しかし、その気持ちに呑み込まれて自己や他者に対して悪い行動や言動をぶつけても何の解決にもなりません。自心を戒め、悪を止めることが重視されます。戒学を修得すると、自然と心の安定がはかれます。これが定学です。定学によって、呼吸が整い、身体と心が統一されます。肉体と精神が安定すれば、物事や道理をわきまえる観察力が身につくそうです。これが慧学です。
慧学はレベルの高い境地ですが、定学までならば私たちの私生活でも身近に体験できる境地と言えるでしょう。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
<PR>