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保土ケ谷区 人物風土記

公開日:2025.09.11

障害のある子どもたちの撮影を積極的に行っているフォトグラファー
中祖 直子さん
桜ケ丘在住 44歳

未来を照らす一枚に

 ○…1男1女の母親。小学5年の長男は肢体不自由で重度の知的障害がある。「写真を通して障害への理解を広げていきたい」という信念を持ち、病気や障害のある子どもとその家族に寄り添う。9月から天王町のレンタルスペースで写真館「&しゃしんかん」を経営。「以前は自宅の2階を拠点としていたためバリアフリーに難があった。今は1階だから車いすの方も容易に入れる」と笑顔を見せる。

 ○…宮田中、桜丘高を卒業。カメラ好きの祖父や、きれいな状態で長年残り続ける祖母の幼少期の写真を見て感動したことがカメラに目覚めた原点だという。大学進学後に本格的にカメラの勉強を始め、一眼レフカメラであらゆるものを撮った。卒業後、カメラと無縁の企業に入社したが、カメラへの熱い思いを断ち切れずに数年で退職。フォトグラファーに転身し、ブライダルなどの撮影で経験を積んだ。「未来へと受け継がれていく一枚を撮りたかった」

 ○…病気や障害のある子どもたちの撮影を積極的に受け入れるようにしたのは、長男の七五三撮影がきっかけ。パニックを起こしやすい長男をリラックスさせて自然な表情を引き出した一枚を撮った友人のフォトグラファーに感化され、それから障害のある子どもが安心して撮影に臨める方法を模索。「声かけやカメラの光が苦手」など子どもが嫌がることを家族から事前に聞き、それらに配慮して写真を撮る。

 ○…原因不明だった長男の疾患が昨年、遺伝子の変異が原因で起こる神経発達障害「ReNU症候群」と診断された。「疾患名が分かり、モヤモヤ感が消えた」と語り、同じ疾患の家族がいる人々とのコミュニティーができたという。家族の未来を照らす写真を撮り続けていく。

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