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鶴見区 人物風土記

公開日:2019.11.14

光瑞山天院の住職を務める
生方 常明さん
寺谷在住 52歳

 ○…寺谷の山門をくぐると、都会の一画とは思えないほど自然豊かな庭が広がる天王院。文政時代から続き、一度は途絶するも、師である前住職が復活させた大師講を引き継ぐ。「お経は、願いごとを仏様に伝えるためのもの。参拝者も後ろにいることが多い。だから、大きな声を出すことがモットーです」



 ○…東京都出身。叔父である師には子どもがおらず、幼い頃から跡継ぎにならないかと声をかけられていたが、断っていた。「実の父だったらすんなり継いでいたかもしれないが、何となく格好がつかないと思っていて」。大学では西洋哲学を学ぶなどし、コンピューター関係の仕事に就職するも、3年で退職。再度勉強を始め、大学に行こうとするも叶わず、「就職するつもりで寺をやってみてもいいんじゃない」という周囲の言葉に背中を押された。28歳のときだった。師は、多くを語らない人だったが、表情で気持ちはくみ取れた。「法要が上手くいった時は笑顔を見せてくれて嬉しかった」。話の節々から師への敬意が伝わる。



 ○…妻と娘2人の4人暮らし。たまに行ける家族そろっての外食が楽しみ。「この前はトレッサの回転寿司に行きました」。戦争や政治といった歴史に興味があり、最近は『憂国のモリアーティ』という歴史漫画にハマっている。



 ○…人も必要なため、実施する寺も少なくなっている大師講はもちろん、寺を知ってほしいと願う。塀も高く「こんな大きなお寺があるとは知らなかった」との声も多い。師の意向で常に季節の花がどこかしらに咲いており、水琴窟という庭園装飾が設置されるなど、寺の話は尽きない。「魅力をもっと伝えたい」。師の思いを継ぎ、志を持って寺を守る。

 

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