智広寺の住職を務める 橋本 至さん 佃野町在勤 36歳
「みんなのお寺」に
○…毎夏、寺で行っていた流しそうめん。約70人が集まる人気企画だったが、昨年からコロナ禍で開催できていない。その代替として、縁日を企画した。「中止にして何もやらないのは簡単だが、何かしたかった」。ヨーヨー釣りやスライム作りなど、子どもたちがわくわくするような内容が詰まっている。「大人の一年と子どもの一年は違う。少しでも夏を楽しんでもらえたら」
○…豊岡小に通い、寺にクラスメイトを呼んで遊んだ幼少期。前住職である父の背中を見て育ったが、初めから継ぐ気があったわけではなかった。大学卒業後、車関係の会社に就職。営業として働くも、「人間関係に悩んで。仏教だったらどう考えるのかと、興味を持った」。京都の学校で僧侶の資格を取得し、10年ほど前に鶴見に戻った。一昨年、半世紀に渡り寺を守り抜いた父から、住職の座を受け継いだ。「地域の方の中には、まだまだ父のファンが多い。息子だからと言って同じ人間ではない。頑張らないと」
○…8歳の娘と6歳の息子の父。「息子は力が強くなってきてパンチが本当に痛い。娘はお父さん子で」とはにかむ。鶴見区のパパサークル「つるPaPa」にも所属。宴席が好きで、情報共有がてらサークル仲間との飲み会や、法話会後の檀家さんとの交流が楽しみ。「わいわいした雰囲気が心地いい。今は自粛中だけど」と苦笑する。
○…「悩みながら生きている自分を許せるようになった」。自らも仏教から学んだ教え。しっかり伝えていくためにも、寺を気軽に来られる場所にしたいと願う。「お寺は仕切りが高いと思われがちだが、実際は誰かのものではなく、みんなのもの」。幼少期に見た原風景を今に合わせ、開かれた寺を作っていく。
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