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鶴見区 人物風土記

公開日:2023.06.08

鶴見区浴場組合の組合長に5月に就任した
岩代 仁さん
矢向在勤 52歳

公衆浴場の文化を守る

 ○…区内に9つある公衆浴場でつくる「鶴見区浴場組合」の組合長に5月に就任した。最盛期には区内に74あった公衆浴場だが、生活環境の変化や経営者の高齢化などで年々減少してきた。そんな中での組合長就任に対して「まずは、うちが持続可能な形を示すこと。各店舗で状況は違うが、大切な文化を守っていきたい。そして、組合としてどう盛り上げていけるか、みんなで考えていきたい」と語る。

 ○…矢向駅から少し歩くと見えてくる高い煙突が印象的な「矢向湯」店主。祖父が70年前に西区で公衆浴場を始め、父親が1968年に以前からあった矢向湯を引き継ぎ、自身も20年前から関わるようになった。

 ○…矢向小、矢向中出身。父親の背中を見て育ち、いずれは継ぐことを決めていたが、理科の先生になりたいという夢もあった。大学で物理学を専攻し、卒業後は非常勤講師として都内の中学校で10年間勤務。また、科学の楽しさを伝えるため全国で活動する「NPO法人ガリレオ工房」のメンバーとしても活動。矢向湯でも実験教室を開くなど、これまでの経験を盛り上げに役立てている。また、鶴見の魅力を伝える目的で10年ほど前に鶴見まちづくり推進会議が作った「ワッくん鶴見カルタ」の選考に関わるなど地域の盛り上げにも尽力。「銭湯は地域の皆さんに支えられている。恩返しの思いで、私自身も楽しんでいます」と白い歯を見せる。

 ○…京浜工業地帯で働く従業員や多くの住民の生活を支えてきた鶴見区の銭湯。「昔は元旦と2日の年2日しか休まなかった。でも、それでは続けていけない。家族や従業員を守りながら、この文化も守る。日々頑張っていきます」。自らに薪をくべるかのような熱い思いで語った。

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