鶴見区 人物風土記
公開日:2024.10.31
矢向日枝神社の御輿護持会「鳳友会」の会長を務める
長澤 昌之さん
矢向在住 75歳
「限界まで担ぐ」神輿への熱
○…今年で発足50周年を迎えた矢向日枝神社の御輿護持会「鳳友会」の会長を20年以上務める。今年も神社の例大祭で万灯神輿と宮神輿の2つを担いだ。「神輿と共にまちを隅々まで巡り、地域住民に幸せを運ぶお手伝いをしているようなもの」と笑顔で語る。
○…茨城県出身。7人兄妹の4人目として生まれた。「男が6人で喧嘩ばかりだったよ」と大きく笑う。矢向に移り住んだのは22歳の頃。「中学卒業後から働いていたけれど、矢向で大工として会社を経営していた兄を頼って出てきた」。大工として汗を流す中、27歳で鳳友会と出会う。「兄や周囲の勧めもあり、入会した。先輩方の担ぎはそれは見事で、今でもどこにも負けないと思う」と誇らしげに語る。やがて同会の会長職を引き継ぎ、設立30周年の際には記念として万灯神輿の制作を主導。「大工だからね。何年も担げるように気合を入れて作ったよ」と笑顔で語る。
○…兄から会社を引継ぐ話が出た際に、それには建築施工管理技士の資格が必要と知り猛勉強。日中は仕事に打ち込み、妻や息子が寝静まった夜中に机に向かう日々。「大工仕事は体で覚えてきたが、勉強で頭を使うのは大変だったね」と笑う。そして勉強の甲斐あって資格を取得し、社長業を引き継いだ。
○…3年ほど前に膝の関節を痛めた。「毎年神輿を担いでいるからか、膝の軟骨がすり減って限界が来て歩けないほどの痛みだった」。しかし、神輿を担ぎ続けたい一心で人工関節を入れる手術を決断。「限界まで担ぎ続けますよ。先輩たちに見惚れて今もここにいるのだから。自分たちの担ぎっぷりを見て、熱を感じて欲しい」。神輿を守り、次の担い手を育てるため、これからも熱い想いで担ぎ続ける。
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