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公開日:2011.12.22

書道反古紙
リサイクル本格化へ
区内小中学校にエコバック配布

  • 池田事務局長

 一般社団法人「エコ再生紙振興会」(松丸道雄理事長)=事務局・神奈川区栗田谷=はこのほど、「書道反古紙再生プロジェクト」のモデル地区となっている区内の市立小中学校26校に書道エコバックを配布した。これにより、書道の授業で出る書き損じの用紙「反古(ほご)紙」を有効活用する試みが本格化する。



 エコ再生振興会は今年2月、反古紙が廃棄しかされていない現状を憂いた書道関係者らによって立ち上げられた。同会の試算によると、横浜市内の小中学校491校で毎年50tが排出されているという。モデル地区となっている区内の小中学校では、4月〜11月で230kgを回収。同会ではさらに回収率を高めようとこのほど「書道エコバック」を全校に配布した。松丸理事長は「この反古紙再生事業が、子どもたちの環境教育と書道文化振興につながればうれしい」と期待を込める。



 反古紙は書道塾や書家、教育機関を通じて回収され、これを静岡県のパルプ工場で再生紙にして文具店(桜木町・ゴールデン文具)などで販売している。また、再生紙は市の書道コンクールなどの指定紙にも採用されており、使用者からは「書きやすかった」と概ね好評のようだ。



 過去にも反古紙リサイクルに取り組んだ団体は多かったが、「回収システム」と紙から墨を取り除く「脱墨」が困難なために、いずれも事業化には至らなかった。同会では、再生プロジェクトの立案から現在のシステムを構築するまで約7年を費やした。



 再生プロジェクトに携わる栗田谷在住の書家・池田光希事務局長は「書家として一作品のために何百枚も消費している。教員時代から反古紙の大量廃棄に疑問を持っていた。神奈川区を皮切りに全国の書道関係者にプロジェクト参加を呼びかけたい」としている。

 

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