JR大口駅構内に、夏の思い出を切り取ったような絵の数々が並んでいる。描いたのは、西寺尾小学校5年2組の児童たち。「アートで大口を元気にしよう」を合言葉に、コロナ禍で沈みがちな雰囲気を盛り立てるためにクラス一丸で取り組んだ。絵は7月30日から駅の跨(こ)線橋に飾られ、色彩豊かな力作が駅利用者の目を楽しませている。
新型コロナウイルスの流行に伴う休校後も学校行事の中止や縮小、授業の制限などを余儀なくされる中、クラス内から「コロナが収束したらやってみたいこと」を絵にし、駅に飾らせてもらうアイデアが生まれた。
休校明けの分散登校が終わった6月中旬から、絵の制作や校長に活動の許可をもらうチームなどに分かれて準備を開始。絵の内容は全校児童や保護者へのアンケートで決め、同駅を所管するJR菊名駅の駅長に作成途中の作品を見せるなどして、取り組みにかける思いを熱心に伝えた。
完成した絵を駅に飾り付けることができたのは、夏休み直前の7月30日。体を泥だらけにしながらカブトムシを取る男の子や、虹のアーチの下をさっそうと走るJR横浜線の車両、夜空を染める花火の下で盆踊りを楽しむ光景、カラフルな色合いで描いた山々を背に水遊びを楽しむ女の子を描いた4枚が並び、それぞれの絵を紹介するパネルには「大口を利用する人たちにこの絵を見て元気になってほしいです」とメッセージを寄せた。
「コロナの影響で、今までのように夏の思い出作りができないかもしれない。それなら今だからこそできることをやってみようと呼び掛け、子どもたちが主体となって取り組むことを目指しました」と話すのは、クラス担任の笠本健太教諭。「活動を通して、相手にお願いする際の言葉遣いや最後まで諦めずに追求する力など、多くのことが学べたのでは」と教え子の成長を喜ぶ。
菊名駅の北野純子駅長は、「子どもたちが『たくさんの人が集まる場所に絵を飾ろう』と考える中で、大口駅を選んでくれたことがとてもうれしかった。どの絵も明るい色使いで迫力があり、大口を元気にしたいというみんなの思いが伝わります」と話した。
児童の絵は8月いっぱい飾られている。秋以降には駅の協力を得て、クラス全員分の絵を掲出する予定という。
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