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神奈川区 人物風土記

公開日:2025.09.18

俳句甲子園で優勝した横浜翠嵐高校文芸部のインストラクターを務める
岩田 由美さん
三ツ沢南町在住 63歳

「個」を伸ばす句へ導く

 ○…7年前、自身の子どもが横浜翠嵐高校を卒業する際に当時の文芸部顧問に請われ、部のインストラクターに就任。短歌が主だった同部を俳句の道に導き、今年悲願の「俳句甲子園」全国優勝を果たした。「優勝しちゃった、という感じ」と柔和な笑みを見せるが、その指導には確固たる信念が宿る。週に一度学校を訪れての指導のほか、オンラインのネット句会も活用。生徒たちの成長を温かく見守る。

 ○…出身は岡山県。大学時代に俳句と出会い、俳人である夫と結婚してからは「食べるものから何から季語」という俳句漬けの毎日を送る。自身も高校教員として勤める傍ら創作を続け、27歳で俳人の登竜門として知られる「角川俳句賞」を受賞。49歳の時には句集『花束』で俳人協会新人賞にも輝くなど、数々の賞歴を持つ実力者だ。

 ○…指導のモットーは、生徒の個性を尊重すること。「本人が何が言いたかったのかを聞き、その良さを生かす直しをしたい」。生徒同士が互いの句を評価し合う環境を大切にし、句を通した内面のコミュニケーションからお互いを理解していくのも俳句の魅力の一つと語る。自身が俳句を作る上で最も大事にしているのは「昔の焼き直しではなく、世界の美しさを一つでも新しく見つけて、みんなに伝えたい」という想いだ。菅田地区センターや沢渡三ツ沢地域ケアプラザ、松が丘の町内会館でも句会を主宰し、幅広い世代に俳句の魅力を伝える。

 ○…長年の趣味はバドミントン。「自分の意地悪と闘争心はバドミントンで解消して、あとはにっこり笑っていようという感じです」と茶目っ気たっぷりに話す。俳句への純粋な探求心と、生徒一人ひとりに向き合う深い愛情で、これからも若き才能を育てていく。

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