「幻のメロン」とも呼ばれる宮前メロンの花が、5月9日に井上農園(事務所・南野川)で咲いた。
育てているのは同園の2代目の井上國夫さん(68)。ガラス温室を設置した1977(昭和52)年に、トマトの裏作としてメロン栽培を始め、10年後の87年に出荷時期を秋から7月に移行して人気となった。「お中元としてのニーズが大きかったみたい」。昨年は5日間で完売したという。現在は3つあるハウス(計380坪)で2000本の苗を育てる。
宮前メロンは区内で栽培されるマスクメロンで、網目の美しさや上品な香り、甘味が特長。井上農園では2月下旬から1週間ごとに3回種をまき、今回花を咲かせたのは3回目に植えられた苗だ。メロンの糖度を上げるには手間暇をかけるしかなく、【1】温度【2】湿度【3】水―の3つの管理が大事だという。
最盛期には7軒の農家が年間1万6000個を出荷していたが、高齢化や後継者不足で減少。現在は2軒のみが生産を続ける。これが直売のみで市場にほとんど出回らないため「幻」と言われる理由だ。井上さんは「持田園芸さんは増産に着手し店頭販売も始めたが、うちは夫婦二人なのでこれ以上増やせない。喜んでくれるお客様のためにできるだけ続けていきたい」と話した。
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