区全町連・宮田会長 「高津は行政・地域の連携が密」 町会加入率低下も加入数は増
東日本大震災は東北・関東地方等に多大な被害をもたらした。防災・防犯面等から地域コミュニティの強化が叫ばれている昨今。その主な原動力となる町内会・自治会の役割について、高津区全町内会連合会会長の宮田良辰さん(84)を取材した。
「震災はいつくるか分からない」――。
3月6日、橘地区自主防火防災訓練に参加した800人以上の地域住民らに呼びかけたばかりだったという宮田さん。5日後に起こった大規模地震に「想定を上回る甚大な震災だった」と驚きを隠せない表情で振り返った。
震災時は自助・共助・公助が基本。まずは自身や家族、街の安全確保について地域住民らと協力する自助・共助の姿勢が望まれる。顔見知りの住民らが助け合い、近くに高齢者等の単身者がいれば安否を確認する。行政による援助はその後、という考え方だ。
宮田さんは「有事のためだけではないが」と前置きして、「それには事前の心構え、普段からのコミュニケーションこそが大切」と強調する。日頃の挨拶や声掛け、防災訓練はもちろん、盆踊り等のイベントにも重要な意味があるという。「普段から顔が分かっていれば、きっと災害時の役に立つはず。犯罪防止にもつながるでしょう」
橘地区で実施した防災訓練は今年で34回目。地域住民らが橘小学校に集合し、炊き出しや救助、避難といった訓練を行う。参加を促す町会役員らの呼びかけや人口の増加等に伴い千人規模の防災訓練に発展し、高津地区で行われる同様の訓練とともに、区の代表的な行事として知られている。
他にも町内会・自治会の活動は▼災害に強いまちづくり▼安心して暮らせるまちづくり▼きれいなまちづくり▼ふれあいのあるまちづくり▼交通事故のないまちづくり▼情報を共有するまちづくり――など多岐に及んでいる。
「地元を良く知った地域の力が頼り」
高津区全町内会連合会には現在、106の町内会・自治会が加盟している。過去3年の町内会・自治会への加入率(カッコ内は全市計)は平成20年4月1日が66・8%(68・3%)、21年同日65・8%(67・1%)、22年同日65・4%(66・7%)と低下傾向にあるが、加入世帯数自体はそれぞれ6万3175、6万5088、6万5241と増加している。ただ、近年では個人情報保護やプライバシー保護の観点から、震災時等の安否確認等に利用できる町会名簿の電話番号欄には空欄が目立つという。それでも宮田さんは高津区について「区役所と消防、警察、町内会・自治会の連携が密なので活動しやすい地域」と前向きに評した。
高津区役所・地域振興課長の安藤裕明さんは、「町内会・自治会は地域コミュニティの基本の場」とし、同・橘出張所前所長の河野賢一さんは「行政だけでは何も出来ない。やはり地元を良く知った地域の力が頼り。それによりスムーズな行政が進められる」と共に町内会・自治会の活動に敬意を表す。
転入者に案内配布し町会への加入促進
高津区役所では窓口で転入者に町会への加入を勧めるパンフレットを直接配布、不動産業者にも配布を依頼している。会費は会により、月およそ百円〜数百円。入会等の問合せは高津区全町内会連合会事務局(高津区地域振興課内/【電話】044・861・3144)へ。
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4月19日