台風19号直撃から1か月、爪痕がいまだ残る多摩川河川敷を清掃しようと、区内企業や市民団体が活動している。北見方の多摩川河川敷に事務所を構えるアマゾン川崎フルフィルメントセンター(川崎FC)の職員と川崎フロンターレのサポーター、市民団体が11月9日、河川敷「高津せせらぎ公園」の清掃活動を行った。
高津せせらぎ公園は河川敷に整備された親水公園で、木々の植え込尾みや300メートルに渡りせせらぎが形成されている。だが、台風19号が直撃して以来、濁流で運ばれてきた泥や木々にはゴミが絡みついている状態となっている。
アマゾン川崎フルフィルメントセンターは、同公園の多摩沿線道路を挟んだ向かいに立地。同センターの施設長、熊澤純さんは「丁度、事務所の窓から公園が見渡せる。普段は親子連れ、寝転ぶ人も多く、癒しの風景。それが台風19号で一変し、信じられなかった」と語る。熊澤さんたちは台風当日、事務所で河川の動向を見守っていた。「みるみる水位が上がっていった」と当時を振り返る。
台風が通過した3、4日後、熊澤さんたち職員は、公園の様子を見に河川敷に降りた。泥にまみれたベンチ、散乱するゴミを目の当たりにし、「見ると歩くではまた全然違った。ゆっくりできる空間が失われ、何か貢献できることはないかと思った」と話す。
9日は、同じ思いを持つ川崎フロンターレや市民団体60人が集まり、河川敷を1時間ほど清掃した。この日のゴミ拾いでは、食器、蚊取り線香、看板などさまざまなゴミが回収された。この日参加した同センターの職員は、東京、藤沢、茅ケ崎など市外在住者も多かった。「地域の一員として何かできることをしたかった。できるところからやってみるという思い」と話す。
高津せせらぎ公園の清掃ボランティアに参加していた二子在住の鈴木暁子さんは、「高津せせらぎプレーパークやレンジャー」のメンバーで年長の息子と同公園をよく利用していた。
「トイレも撤去され、台風以来、こちらには来なくなってしまった。泥も少し匂う気も。早めに片付けてもらいたいと思って、清掃活動に参加した」という。さらに、「木々に絡みついたゴミ、枝が危ない。子どもたちは何でも遊び場になるので心配」とも。今後は、行政と相談しながら機器を使用したゴミ撤去に向けて取り組みたいと意気込む。
鈴木さんは「多摩川は心のふるさとみたいなもの。少しでも早く、元の安全な遊び場に戻したい」と語った。
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