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高津区 人物風土記

公開日:2020.03.06

千年町会会長を務め、川崎市自治功労賞を受賞した
柏木 靖男 さん
千年在住 78歳

経験全てが「いい勉強」

 ○…千年町会の会長を10年、橘地区連合自治会長を8年務めてきた。常任理事時代から含めると、25年以上にわたり町会に携わる。「先人たちのしてきたことを引き継いでいるだけ。何もしてないよ」と笑う。昨年、会長の役職をおり、現在は顧問に。同じく会長を務めていた父と同じ年齢だった。「誰にも相談せずに。自分と家族の時間を大切にしたいと思って」と話す。突如の発表に仲間は皆驚いたそう。

 ○…加入世帯は3000を超える区内屈指の大規模町会について「穏やかな気質の人が多く、まとまりがあることが千年の魅力」と語る。運動会、防災訓練、どんど焼きなどイベントが多く、盆踊りは知人に頼み、花火の打ち上げも。「役員や民生委員、子ども会の方など、支えてくれる人たちのおかげ」と感謝をの言葉を口にする。

 ○…千年で営む農家の長男。橘小、橘中出身、生粋の橘っ子だ。「昔は、辺り一面田んぼ。家からは南武線も見えてたよ」という。23歳のとき、川崎市役所に入庁。民生局、福祉局などさまざまな部局に携わった。市内の福祉施設をつくるとき、地元の人に説明する役割を担うことも多かった。福祉施設への理解があまり進んでいない時代。「作ったら地価が下がるとか、各施設の地域から意見が届いてたよ」と振り返る。気持ちを支えたのは『施設を必要とするお子さんや親御さんのことを考えて頑張りなさい』という上司の言葉。「おかげ様でたくましくなりました。全てがいい勉強」と笑う。

 ○…会長職をおりても多忙な日々だが、午前中だけは畑を耕す時間を作る。町連仲間に苗を分けてもらい作る野菜は格別だとか。「行政は市全体を見るが、個人を見るのは町会。顔の見える付き合いを大切にしたいね」

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