調査員の話を熱心に聞く参加者
２０１５年に川崎市発の国史跡に指定され、継続的に確認調査を行っている橘樹官衙遺跡群。川崎市による確認調査現地見学会が２月29日に行われ、約80人が訪れた。
以前の調査時に、薬師堂の東側に古代の大型金堂を確認。どこまで大きいかを調べるため、今回地盤改良の跡「版築」が発掘できるか確認した。しかし今回これが出てこなかったことにより「今ある薬師堂規模の可能性が高いことが裏付けられた。『なかったこと』が発見」と担当者は話す。
また弥生時代の８ｍほどの大きな住居跡も見つかった。大きな村を作れる力を持った場所だと思われる。また掘立柱跡が発見され、建物は当時の役所機能を有する「評」だと推測する。遺跡群は役所の成立や構造、郡家へと発展する家庭や廃絶に至るまでの経過をたどれる稀有な例だという。
調査員は「川崎の歴史に新たな１ページが加わってくるかもしれない。興味を持ってくれたらうれしい」と話した。
当日、母と訪れていた千年在住の伊辺智晴さん（24）は、「市民館でパンフレットを見て、歴史に関心がありはじめて参加した。実際に見て体験して話を聞けるのは勉強になり、とても楽しい」と話した。
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